皆様こんにちは。
パリは、なぜか5月中旬というのに未だにセーターとジャケットを着ないと寒いくらいです。日本でも雪が4月に降ったりしたようですが、地球は一体どうなっているのでしょうか。
毎日の生活は当たり前のように過ぎていると思いますが、先月アイルランドの火山灰の影響で5日間もパリの空港が閉鎖されて足止めをされた際には、人間のちっぽけさを感じました。
そして、当たり前のことが当たり前でないということを改めて実感しました。火山が爆発するだけで、ヨーロッパ25カ国以上の空港が一気に閉鎖されるなんて誰が考えたでしょうか。
2001年のニューヨークのテロ事件の時に、ボストンに住んでいましたが何とテロの犯人はボストンに潜伏し、ローガン空港から乗りあのような惨事が起きました。
ちょうど、その日もイギリスからボストンに到着する友達を迎えに行く予定だったのですが、
”空港閉鎖?って一体?!?”
と初めての経験でしたが、テロの場合はまだ人間が仕組んでいる訳ですからどうにか対策を練れる分けです。それにしても人生2回もこの様な状況を体験するとは・・・どういうことでしょうか。(笑)
今回の天災というのは地球レベルのことですから、人間には止められないし、いつまで続くかも謎。どうやら1800年代に噴火した際には2年続いたそうですが・・・
話しが変わりますが、最近友人や知人に勧められて呼んだ本などが共通しているテーマなので、ちょっと書いてみようと思いました。
それは、”ありがとう” という言葉の大切さです。
そして、ありがとう と思うだけで目の前の嫌な事に対する気持が軽くなったり、会いたくない人と話しても楽しい時間が過ごせたり、不機嫌な時もどこか明るく過ごせるような気がします。
ある本に書いてありましたが、
”難が有る”=有り難う なので、難がある時に”ありがたさ”を実感しますね。
病気になると急に不自由さを感じますし、普通に歩ける、食べれる、予定通りコンサートが無事に終えられた・・などなど、当たり前のようで当たり前でないことが沢山ありますね。実は、とても多くの人に支えられて初めてできていることを今回の帰国で実感させられました。
有名なギタリスト、村治佳織さんも2005年10月に朝起きたら突然右手が動かなくなってしまったそうです。(右手後骨間神経麻痺)本人が騒ぐと周りが余計に心配すると思ったそうですが、3カ月後から動き始め演奏活動を始めたそうです。
コンサートツアーなど多忙な時に、ある日突然手が動かなくなったら・・・なんて想像するだけでも大変な事ですね。そう考えたら、今日1日不自由なく生活できることに感謝ですね。
富士の芝桜
似たようなエピソードを1つご紹介します。**********
高校の同級生で女性トロンボーン奏者のMちゃんは、あまりにトロンボーンが大好きで通常長時間続けて練習しては唇の神経に負担がかかってしまうのですが、何と1日8時間も猛練習をしていたそうで、高い音になるほどかなりの圧迫が頭にかかります。
普通は10分くらいしか最高音は練習してはいけないと先生に言われていたのを1時間ほどしていたら、1回目は鼻血が噴き出し、それでもまだ練習をして2回目は気絶して倒れていたそうです。
何たる精神・・・
そんな彼女のすごいサバイバル精神で尊敬するクリーブランド響がサントリーホールに来日していた時に、きっとメンバーは隣の全日空ホテルに滞在しているだろうと思い、ホテルに首席トロンボーン奏者の名前を言うと実際につながり、”是非、演奏を聴いて下さい”と話し、何とオーケストラの休憩時間にサントリーホールでピアノのソリスト内田光子さんもいる会場で吹いたわけです。
すると、そこに居たオーケストラのマネージャーを含む方達があまりに上手くて驚き、
“君、これ入学試験にしてあげるからアメリカへ来なさい”
とあっさりと門が開けたそうです。
その後もあまりに練習しすぎてドクターストップがかかり、もう少しで唇の神経が破裂してしまう限界まで行き1年間吹けなかったそうです。
その間毎日先生(同じく2年間吹けなった経験がある方)が30分のレッスンをしてくれ、心の支えになったそうです。勿論実際に吹くのではなく30分祈りを捧げていたそうです。
そのお陰で”音楽をやる意味”を見失わずに、その他は生活の為に絵を描いて道で売ってたり、貧乏で2週間ご飯にお塩だけかけて食べてた・・・なんて言ってました。
その後、活躍はめざましく数々のオーケストラで働いた後、女性トロンボーン二ストとして首席奏者に選ばれたそうです。まだまだ、アメリカの金管奏者のほとんどは大柄の男性が多く、“こんな女の子に負けてたまるか!”と始めはいじめにあったりしたそうですが、カーテンの後ろで演奏する”音だけ”で判断するオーディションで見事に合格したということです。
彼女の為に作曲された現代曲の初演をアメリカで聞いた時、こんなに歌う”トロンボーンがあるんだ”と感激したのを覚えています。楽器を越えた、彼女の心からのうたがそこにあり、多くの人の心に響いたのだと思います。
今は、結婚して可愛らしい2児の母になりながら演奏活動をしているそうです。
話がかなり飛んでしまいましたが(よくありますが)、Mちゃんも演奏できなかった時間を通して深く音楽の意味、人生で何をしたいのか考えたそうです。
****************
私は、幸いそういうことは今までにありませんでしたが、今回、まさかのコンサート前の足止めでつくずく普通の日常生活のありがたさを痛感しました。
今回飛行機に乗れずに、まるで“難民ボート”にでも乗る様な気持で毎日ニュースを見ながら、日本と連絡をして明後日までに飛べなかったらコンサート延期・キャンセルという状況だったのですが5日後にはあっさりと飛んだわけです。
それは、あまりに突然で本当?信じられない?
という気持で、空港についてもやっぱり飛ばない。ということになるのでは・・・と疑うほどでした。
こんな”難有り”の状況を体験して、本当に普通に日常生活が過ごせるというのは、実はすごいことなのかもしれない。
そして、この5日間飛行機を待っていた時間というのは、ある意味”テスト”されている様な気がしました。
勿論、その時はそんな事を考える余裕はなく、これは終わってみて客観的に思えたのですが、どんな状況でも平常心でいるということ。そして、自分に与えられたやるべきことであれば、きちんと帰れるだろうと。
そして、明日何かあっても後悔しないよう自分の心に素直に向き合って生きることは、とても大切だと思います。幸せな時、大変な時、悩む時、良い事が起きた時、いつも一番そばに居る人は誰でしょうか?他ならぬ私達自身ですね。
今回の帰国で、その内面の自分自身ともっと真っすぐに向き合い、自分の嫌いな所、好きな所を全部ひっくりめて自分を認め、許し、起きる事全てに責任を持つ大切さを学びました。
自分の短所、見たくない所を認められたら、きっと人にもやさしくなれるのではないでしょうか。そして、自分にありがとう。みんなにありがとう。ですね。
これは、決して変な宗教の様な考え方ではないと思うので誤解されたくないのですが、根本的に人間は1人の力だけでは生きていけないらしい・・・ みんな助け合って共存しているんだと飛行機のことで実感しました。
1日が1週間、1週間が1カ月、12カ月が1年、10年・・・と小さな積み重ねですから大事に生きていきたいですね。
私もこの12年間日本を出てあっという間ですが、なぜか12年という時間が1サイクルのように一回りした感じがします。
まさか、日本を出てこんなに長い時間、3カ国も移り住むなんてこれっぽっちも思っていなかったのですが、チェンバロという楽器との出会い、幸い素晴らしい音楽家の方達と出会い多くのことを学ばせて頂いた経験は一生の宝だと思います。
そして、今回の帰国コンサートでは音楽以外にも本当に多くのことを学べるきっかけ、この数年パリで行った事が決して無駄ではなかったらしい・・ということが見え、とても良い機会になりました。
また、更地に戻して1からスタートのつもりで新しいレパートリーとコンサートに取り組んでいきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
- 6/21-22-23東京フィル&ピンカス・ズッカーマン公演
2025/6/20 - 12/22 (日)【ワイン🍷とチェンバロの調和」Vol.3
2024/9/19 - 東京フィルハーモニー@東京文化会館
2024/8/15 - Cave de Asukaへのアクセス
2024/4/29 - Youtubeチャンネル登録1000人突破!5/4公演
2024/4/28 - 5/1-5/6【ワインとチェンバロの調和」Vol.2】
2024/3/24 - 3/3【2台チェンバロの饗宴】無事に終了
2024/2/18 - イタリア・ボローニャ楽器博物館2
2024/2/05 - イタリア・ボローニャ楽器博物館1
2024/2/04 - フランス・パリ
2024/2/01


