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claveciniste et pianofortiste

フォルテピアノとチェンバロ/Le fortepiano et le clavecin

実は、去年の秋よりフォルテピアノを弾き始めています。このブログでも色々な古いピアノ=フォルテピアノの写真を載せていますので、ご存じない方はご覧下さい。
1702年のオリジナルのフランス製チェンバロ
ピアノとの違いは、今の黒いピアノの祖先にあたる1750年以降チェンバロから、強弱やペダルの機能が開発されたこの新しいフォルテピアノがすごい勢いで発展していきます。
その為、元々は5オクターブしかないチェンバロから、音域も5オクターブ半、6オクターブ、6オクターブ半・・・・と時代が進みに連れて幅広くなり、ピアノの大きさや音量も大きくなっていきます。
それは、人力車ー馬車ー車ーハイブリットカー と言う感じでしょうか。
小さなチェンバロ!
その為、モーツァルトが弾いていたドイツ製のピアノで後期のベートーベンを弾くと鍵盤が足りなかったり、逆にショパンの愛していたフランス製のプレイエルというピアノでモーツァルトを引いても、細かいニュアンスが出しにくいです。
フォルテピアノをやる人=フォルテピアニストは、私の友人にも多くいますが、みんな時代背景や楽器について詳しいですし、こだわりを持ってこの楽器にはこの曲を・・・と吟味してプログラムを作り演奏しています。
その為、贅沢な話ですが実際にモーツァルトからドビュッシーまで演奏しようと思うと、数台ものピアノが必要になります。
モーツァルト時代の5オクターブ半のコピーのフォルテピアノ
そして、1曲ずつその音楽に最適なピアノで演奏することで、より作曲家の描いていた音楽の世界に近かずく・・・・といった考え方でしょうか。
チェンバロのバロック音楽の演奏家達も、できるだけ300年前にどのように演奏されていたか、という奏法やスタイルを文献や楽譜をリサーチして、自分なりの解釈で演奏しようと試みて
います。
だからといって、2008年に生きている私達の世界観と1685年にヴェルサイユ宮殿で生活していた貴族の感覚は、全く違うかもしれませんが、努力と知識により、できるだけ近ずこうとすることは可能です。

前置きが長くなりましたが、私も幼少よりピアノを始め約20年弾いていました。
10歳ごろ、ピアノの先生がモーツァルトは天才だったのよ。。。。と言われても、本当に生きていたのかも実感できませんでした。
しかし、後に実際にウィーンの彼の自宅や作曲をしていた素敵な天井画のある部屋を訪れて、ああ彼は実在していたのだ・・・と初めて私自身とつながりました。
そうでなければ、お話の中の人のような感覚ですから、そのままモーツァルトの音楽をただ演奏しても、きっと何か深いものが足りなかったのではないでしょうか。
ショパンの愛したプレイエル
その為、今こうやってショパン時代のピアノで彼のノクターンを弾いたり、べートーベンが難聴になって耳を締めたピアノの蓋に当てて、そのかすかな聞こえる振動で作曲していた頃のピアノや、クララ・シューマンの持っていたピアノの1台前の製造番号の*音*を聞いたりすると、グッと作曲家との距離が近くなり気がします。
去年の秋まで、約10年間はチェンバロのみに専念していましたが、それまでに20年親しんだピアノのレパートリーを、今とても新鮮な気持ちで再び向き合っています。
フォルテピアノとチェンバロは似ているようですが、タッチやテクニック、音の慣らしかたもモデルにより大変異なります。
19世紀後期のフランス製エラールのハンマー
その為、今は、半分半分弾いています。例えば今週の半分はモーツァルトのファンタジーをフォルテピアノで月ー水曜日まで集中して練習し、木曜から週末は、来週アメリカで演奏するバッハのコンチェルトや5月末にパリで演奏するブランデンブルグコンチェルトを練習しています。
なかなか、頭の中が混乱することもありますが、これは時代に合った楽器で演奏していくということは、私の願いでもありましたので、苦労はありますが前向きにやっています。
それは、まるでイタリア人にイタリア語で話し、フランス人にはフランス語で、アメリカ人には英語で話した方が、本当に理解し合えるのと似ています。
例えば、ドイツ人が流暢な日本語で話してきたとします。それは、よりよく話せますし、色々な細かいニュアンスまで疎通しやすいですね。

楽器も同じだと思います。その為、ピアノでバッハを弾こうと思いませんし、弾いたとしても、どこかピンとこないと思います。それは、チェンバロの音色と表現がバッハに最も適していると感じるからです。
これからは、チェンバロとフォルテピアノと両方で好きなレパートリーを演奏していけたらと思っています。
今年は日本でもピアノのコンサートを企画しようと思っていますが、まずは練習。練習!

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