皆様こんにちは。日本では猛暑が続いているようですが、大丈夫ですか?

昨日、パリよりイタリアへ来ました。
何と、早朝便だったので4時15分に目覚ましをかけたのに、3時40分に勝手におきてしまい、寝過ごしてもいけない・・・
トスカーナ地方のSinalungaという小さな町の駅
ということで、4時50分にタクシーが来て5時10分にはパリ郊外のオルリー空港へ到着しました。オルリー空港はシャルル・ド・ゴール空港に比べて小さなヨーロッパ内の便が沢山出ています。
Sinalunga駅の時刻表。1時間に2本くらいしかないですね。
さて、オルリーからピサの斜塔で有名なPISAへ8時20分には到着。
空港から歩いてそのまま3分で電車です。便利ですね。
そして1時間乗ってフィレンツェへ。

今回行くモンティ-ジという所はトスカーナのシエナからまた1時間ほど田舎。本当に田舎です。
イタリアの田舎ほど電車など便が悪いことはありません。

フィレンツェからアレッツォという町へ。今34度!からっからで肌はもう日焼けして赤くなりましたね。

駅の窓口に並んだのは12時15分くらい。そして、何と翌便は3時間半後!
なぬ~~~~!!!
しかも、運悪く日曜日だった!のです。本当にWelcome(Benvenuto a Italia!!)
イタリアでようこそ~~~という感じですね。

ここら辺からもう東京リズムでちゃきちゃき動く思考回路→ヨーロッパのしかも出た!イタリア!今日つけばいいか==!
の半分あきらめ&急いでもしょうがないモードへ切り替え。

気を取り戻し、駅前のホテルへ行って荷物を置かしてもらえたらプチ観光デモしようかな?と思いきや、いくと閉店している・・・
その隣に感じの良いレストランが。
ということで、3時間半の半分くらいは、ここでバッハの次男の書いたCarl Philippe Emanuel Bachの装飾についての項目を読んでいました。じっくり読んでおいしいカプチーノを頂きました。

スープと思って頼んだのは謎のパン、卵、ポルチーノをぐちゃぐちゃと混ぜたもので、ちょっと期待はずれ。ですが、頂きました。
そんなこんなでやっと最後のSinalungaという村へ行く単線の電車が来ました!しかも2両のみ&すごい落書き。。。

今回は、観光のためにこんな所まで来たのではなく、バッハを極めるためです。はい。
ということで、バッハ漬けの10日間になります。
ゴルドベルクとパルテイータです。

それにしても、朝3時40分に起きて最終的にホテルについたのは12時間以上後の夕方5時くらいで、さすがに死にそうになりました。

でも、ついて見ると本当に17世紀から何も変わっていないような、トスカーナ地方の素晴らしい景色。オリーブ畑にレモンやいちじくの木、つばめも飛んでいたり、何て自然が豊かなのでしょう。
トマトも食べたらいわゆる青臭い新鮮な畑から取ってきたような香りがして、フルーツもおいしいです。
実家のトマト、ナス、ピーマン、きゅうりも結構なって、両親が毎朝楽しみに食べれる分だけ取って食べているようです。

ということで、イタリア珍道中続く・・・
この町は人口400人ですが、隣の人口200人の村に世界的に有名なチェンバロ製作者、ブルース・ケネデイが住んでいます。彼のお陰でこの小さな村にチェンバロが10台くらいあり、毎年夏はチェンバリストが世界中から来て、コンサートや講習会が開かれにぎわいます。
Bruce Kenndy、N.YにあるCopy of Johannes Couchet

ホテルのワンちゃん
練習の後、ほっと一息、本格派イタリアのカプチーノと

夜もまた練習。これはFrench DoubleのVon Nagel作
バチカン美術館/Vatican Museum
今回、数時間の滞在にもかかわらずどうしても見たかったのがバチカン美術館でした。
サン・ピエトロ大聖堂内。神父さまが突然出てきました。プライベートの儀式をやっていたようです。
世界で最も有名なミケランジェロの*最後の審判*のあるシステイーナ礼拝堂を含む素晴らしいコレクションがあります。
サン・ピエトロ大聖堂内の小さなオルガン
サン・ピエトロ大聖堂を見終わり、美術館の入り口の方へ向うと人・人・人。一体入り口はどこにあるのか?!?と思うほど途方もない列が30度の炎天下の中ずらり!
音楽のミューズの彫刻。ハープは古代ローマからあった楽器です。
パリに戻る飛行機に乗る為に3時間あまりしかないけれど・・・と不安気に待っていると、横にアメリカ人のお姉さんがガイド付きツアーの人数がまだ4、5人空いていますよ~。20分で入れますよ!と。
???一体??
バチカン市国の今でも中世のコスチュームを着たガードマン。
1929年バチカン市国ができた当時スイス兵が最も優秀とされていたことから、それ以来全てスイス人の5ヶ国語(イタリア語、英語、ドイツ語、スイスドイツ語、フランス語)を話し、背が高く、ハンサム(!)という条件を満たした人のみ1年間働けるそうです。
すると私の後ろに居たアメリカ人Familyがぞろぞろと着いて行き、横の人にこのまま並んだらどれくらい?と聞くと
2時間ー2時か半。。。では、見る時間がない・・・
ということで急遽私もガイドに参加させてもらうことに。
このアメリカ人のお姉さんは長い列の中のアメリカ人などの観光客を主に、単独にツアーをしている人で知らない面白いエピソードを加えて展示品を丁寧に説明してくれて、みんな満足していました。
バチカン美術館内のキリストの一生を描いたタペストリーのうちの1枚。素材はシルクと金のみ。
不思議なことにキリストの目を見ながら前を通ると、目がずっと私達を追っています。左から見ても、右から見てもこちらを見ているように見えますが、昔の人の技術というのは本当に素晴らしくどの様に作ったのか分からないそうです。
ギリシャ時代の無名の彫刻。他の彫刻のように農家の庭から出てきたとか。
発見した人が、作者名があるほうが高く売れるということから、偽のサインを彫ったギリシャ語の文字も残っています。この彫刻はミケランジェロがバチカンにある全ての美術品の中で最も高く評価していたとのことです。
人体解剖を絵画の為に特別に許されていたミケランジェロが、この彫刻を見て最もプロポーションが完璧だと称したとのことで、司教に修復するように頼まれたものの、‘このままで完璧です’と断ったそうです。
後にベルギーよりイタリアに8年留学をしたルーベンスもこの彫刻の模写をしています。そして、フランスのロダンもこのプロポーションをそのまま使用し、あの*考える人*を製作したそうです。
後の素晴らしい芸術家も古代に学んでいたのが。とても興味深いですね。
バチカン市国/Vatican
ローマのテルミニ駅からバスでローマの町を抜け、20分ほどでバチカンの巨大なサン・ピエトロ寺院の前に到着します。
左側はローマ、この橋の右側はバチカン市国の領土です。
トスカーナの人口400人の村で1週間過ごした後、紀元前からの遺跡の残るローマに出てきて、モダンな生活に戻ったと同時にごく普通に街の中に突如として現れる遺跡に目が奪われました。

残念ながらローマーパリの夜の飛行機まで半日足らずだったので、バチカンだけに絞ることに。
有名なサン・ピエトロ広場の左右に広がる柱のアーチ。巨大すぎてアーチ型のどの部分にいるのか、分からないほど!
世界一の大きさを誇るサン・ピエトロ寺院。その歴史は64年ごろにこの付近でmサン・ピエトロ(聖ペテロ)が異教の罪によりネロ帝に十字に架けられたとこまで遡ります。
それにしても、前日コンサートで弾いて夜中の2時半まで仲良くなったドイツやロンドン、その他の国から来たチェンバリストとご飯を食べてお喋りをしていたので、ローマを見るために朝一番の電車に乗るために5時起き6時出発というのは、かなりハードでした!
大聖堂の入り口の天窓
それでも、やはり頑張って見に行ったかいがあった!と思える素晴らしい芸術にも触れられ、バチカン市国の司教が代々集めたコレクションであるバチカン美術館とサン・ピエトロ大聖堂の大きさに圧巻しました。
入ってすぐ右側には*ピエタ礼拝堂*Cappella della Pieta de MIcherangelo
ミケランジェロ作 :ピエタの像。1499年、25歳の時の作品。
この像は1度ばらばらにされ各地に散ったものを再び集め修復したものなので、ガラスで守られています。
天窓にも素晴らしい装飾
マデルノ作:主祭壇
なんと結婚式が行われていました。こんな所で挙げるなんて!!オルガンが見えますね。
寺院の後ろに広がるベルベデーレ庭園。
ちょっと昔までローマ法王がお散歩をなさっていたそうですが、パパラッツィに写真を撮られてからは安全ではないということでご使用にならず、一般向けに1日5,6人という予約制で少数のガイドつきツアーがあるそうです。
またの続きをお楽しみに。
ローマ楽器博物館/Museo Nazionale degli Strumenti Musicali
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もうかれこれ2週間前に初めて行ったローマで、右も左も分からぬまま空港に迎えに来てくれるまで半日もあったので、どこか行こうとガイドを見ていたら・・・・
*3000以上の楽器がある博物館*を発見し、決定!
イタリア製のチェンバロ。年代は表記していませんでした。
ローマへ行ったことのある人達から、大きい、1週間あっても見切れない・・・・と聞いていたので、ここは見たいものに絞った方がいいと思い、ゆったりと沢山のチェンバロを見に行きました。

ベンドサイドの装飾
ここには、数え切れないほどのチェンバロがありました。やはりイタリア製が多かったですが、ドイツ人のHans Mullerが作ったドイツ製の一番古いチェンバロ(1537年)がありました。
ヴァージナル、フレミッシュらしい装飾。

まるで絵画のような素晴らしい装飾!
プレートの年代や製作者をメモしていたら、3人のガードの1人のおじちゃんが、どうぞ!どうぞ! と言って、立ち入り禁止のロープの中に入って見ていいよ。と言う。
え?!それは・・・・
そして、説明を読んでいると、パッと写真を撮ってしまえばいいでしょ!?と言う。
それも禁止では・・・・?
クラヴィコード
ということで、フラッシュなしで目の前の貴重なコレクションを撮らさせて頂きました。1階にコレクションのきれいなカタログがあったので買いましたが、これらの写真はそのおじちゃんが居なければ取れなかったので貴重なものです。
フランス製 エラール社のきれいに装飾されたスクウェア ピアノ

笑ってしまったのですが、他の2人のガードは真面目に働いているので勿論写真を撮っているのを知ったらNo!no!と言う訳です。
ので、親切なおじちゃんは、他の2人と違う部屋で世間話をして私が見終わるまで2人の足を止めているという・・・・滑稽な状況で、最後にMolto Grazie(どうもありがとうございます)と言うと、ウインクしていつでもどうぞ!みたいな。。。
これがイタリア・・・・・のコネクション?!と足早にまた空港へ戻りました。

この美術館のなんと言っても代表的なコレクションの楽器は、世界に3台しか存在しないクリストフォーリのフォルテピアノです。

フィレンツェのメディチ家に仕えていたBartolomeo Christofori(1655-1732)が晩年に発明したフォルテピアノです。まだまだ、チェンバロが普及していた時代に、強弱を表現できるメカニズムを開発しました。
チューニングピンはレストプランクを突き抜け、弦はこの板の下に巻き付けられています。この構造だと、ハンマーがどんなに強く叩いても、弦が浮き上がる心配がない様に作られています。
クリストフォーリのフォルテピアノはこのローマの(1722年)と、ニューヨーク(1720年)ライプツィッヒ(1726年)があります。
この美術館の前の官長さんが、リサーチをしてこの楽器を見つけたそうです。
チェンバロと外側は似ていますが、中の構造が新しく開発され、*ウナコルダ*Una Cordaという、音色を変化させる機能が付いています。
ウナコルダを使うと、鍵盤全体が数ミリ移動して、1音につき張ってある2本の弦のうちの1本だけを叩くようになり、音色が大きく変化する構造になっています。
折りたたみできるチェンバロ!Carlo Grimaldi 18世紀
枠には可愛いらしい絵が描いてあります。
スピネット G.Birger 1759

この他にも、Joannes Ruckers (1637年)やとても素敵なフォルテピアノなど釘付け!!になってしまうオリジナル楽器が沢山あり、今度は美術館に手紙を書いて試奏できる機会に再び訪れてみたいと思いました。
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ご興味のある方は
ローマ国立楽器博物館・Museo Nazionale degli Strumenti Musicali
Plazza S.Croce in Gerusalemme 9a
Tel: 06 70 14 79 6
8:30-19:30
月曜休館日
入場料:6ユーロくらい
Santa Croce in Gerusalemme教会の左横にあります。メ
トロA線S.Giovanni下車 徒歩5分
ロカンダ ホテル/La Locanda in Montisi
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小さな村Montisiには2つのホテルと1つのB&Bがあるだけです。

B&Bから見える窓辺の景色は一面オリーブ畑。何ともほのぼのしています。

そして、もう1つのHotel Locandaは唯一の目抜き通りの角っこにあるイタリアらしい雰囲気の建物です。
気さくな御主人のRobertoさんは冬季はホテルを閉めてフランスとイタリアの海岸沿いの町に住んでいるそうです。なんとも優雅な!
朝食もアットホームな感じでおいしいカプチーノを御主人さんが入れてくれます。

この内装は、全てRobertoさんの叔母さんの手作りだそうです。全体的に柔らかい赤色で統一されていますが、壁の何とも言えない黄色とのコンビネーションが日本人では思いつかないような色の組み合わせで素敵でした。
Siena(シエナ)に行かれる方は、ご興味があればこんな小さな村に1日滞在するのもいいかもしれませんね。
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Hotel Locanda: www.lalocandadimontisi.it
Via Umberto I.39 Localita Montisi 53020 San Giovanni d’Asso
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モンティジー/Montisi Vol.2
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中世時代と同じ大きさのMontisiの村には目抜き通りが1本通っているだけです。

さっき会った人が戻ってくると、また会うと言った具合で、見ず知らずの私達にもBuonjorno!(ボンジョルノ!)と気軽に挨拶をしてくれます。

パン屋さん1軒、レストラン2軒、ホテル3軒、小売店2軒(スーパーと言うほど大きくないので・・)がありますが、お昼間はお休み。

そして、12時になるとこの3種類ほどの違う鐘(カリヨン)が、ゴーン、ゴーン、カラーン、カラーンと鳴ります。なんともゆったりとした時の流れです。
フランス語をイタリア語風に発音しただけのハチャメチャ、あてずっぽの会話でも、カフェのおばちゃんは一生懸命分かろうとして、通じたときには大笑いと共に、Ho capito!!(分かったわよ!)と言ってくれて一度打ち解けると、Ciao!(チャオ!)と話かけてくれます。
テラコッタ屋さん。でも、開いていたのは見ませんでしたねえ・・・

可愛い赤茶色の家には、色々なプレートがあり雰囲気をかもし出していました。

そして夕暮れには、テラコッタ色の壁が何とも言えない色になります。トスカーナの色というのでしょうか。

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小さな村 モンティジー/Montisi en Italie
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みなさん、こんにちは。
Montisiの村。
先週はイタリア、トスカーナ地方の村モンティージー/Montisiに行ってきました。
なんと人口400人!隣の村は200人!

そして、景色の良い日にはトスカーナのオリーブ畑の広がる素晴らしい自然と共に、シエナの町が見えます。
ここに、アメリカ人のチェンバロ製作者、ブルース・ケネディがチェンバロの古楽センターを創設しました。
まだ始まったばかりですが、チェンバロの巨匠であるグスタフ・レオンハルトや個性的なチェンバリスト、スキップ・サンペや私のアムステルダムでの師匠、メノ・ファン・デルフトなど色々なチェンバリストが世界中から呼ばれ、マスタークラスやコンサートを行っています。
教会でのメノ・ファン・デルフトによる公開レッスン。
今回は、12人のチェンバリストがポーランド、フランス、フィンランド、ノルウェー、日本、ドイツ、イギリスなどから集まり大変充実した、文字通り音楽三昧の日々を過ごしました。

この古楽センターはこの村のお城を買取り、現在修復中で8種類にも及ぶ異なる時代とスタイルのチェンバロを将来的に揃えてチェンバロ音楽のメッカにしようとしています。
ブルース・ケネディ作のコルマール・ルッカースのコピー
イギリスの曲はイギリスのバージナル、イタリアのスカルラッティなどはイタリア式チェンバロ、F.クープランやラモーはフランス式チェンバロ、バッハはドイツ式チェンバロで・・・・という具合です。
イタリア風のチェンバロ。華やかな装飾ですが、タッチはフランス風よりもはっきりとしています。まるで、イタリア語とフランス語のような違いです。
チェンバリストにとっての理想は自宅やコンサートで1曲ずつ弾く曲によって最適な楽器で弾くことですが大変な贅沢ですね。
ですので、普通は大体のレパートリーを1台や2台で弾き分けますが、それぞれの曲に適した楽器で弾き分けると、なるほど音質やタッチ、曲の表情もよりはっきりと掴めてきます。
音楽家にとってやはり楽器から受けるインスピレーションは本当に大事ですね。

今回は、パリーローマー車で3時間乗りトスカーナへ行ったのですが、ちょっと時間があったのを利用してローマの楽器博物館を見に行くことができ、大変貴重な楽器を目の前で見れて、とても幸せでした。
それは、また次回に。

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- 6/21-22-23東京フィル&ピンカス・ズッカーマン公演
2025/6/20 - 12/22 (日)【ワイン🍷とチェンバロの調和」Vol.3
2024/9/19 - 東京フィルハーモニー@東京文化会館
2024/8/15 - Cave de Asukaへのアクセス
2024/4/29 - Youtubeチャンネル登録1000人突破!5/4公演
2024/4/28 - 5/1-5/6【ワインとチェンバロの調和」Vol.2】
2024/3/24 - 3/3【2台チェンバロの饗宴】無事に終了
2024/2/18 - イタリア・ボローニャ楽器博物館2
2024/2/05 - イタリア・ボローニャ楽器博物館1
2024/2/04 - フランス・パリ
2024/2/01


