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claveciniste et pianofortiste

ほっと一息・le repos

今日はパリは気持ちの良い秋晴れです!
パリへ戻り、ご飯にお味噌汁を食べて、何て”ほっとするんだろう~”って。やっぱり日本人ですね。

録音の超ベテランのユゲットやルセ、その他チェンバロの友達などにも無事に終わったことを報告し、みんな喜んでくれました。勿論、まだ仕上がってないので出来はどうなのかは大いに謎ですが!?本当に親しい友達や音楽仲間に支えられ、助けて貰ったと感謝しています。

不思議なもので、5年間住んでいた時のパリよりも今回の5カ月の方がフランス人ってこんなに親切だったの?と思うようなことが沢山あり、みんなに助けて貰ってありがたいと思います。
この猫ちゃんに再開できて嬉しかったです!
昨日は、マレ地区にある素敵な個人宅&18世紀絵画のコレクションの多いMusee Cognacq-Jayへ行ってきました。詳しくはここからどうぞ。(フランス語のみ)

とても素敵なレンブラント、フラゴナール、大好きなヴェルサイユで活躍した女性画家L.E.Vigee-Lebrunの絵画がありました。

パリ市にMonsieur COgnacqが奥様が亡くなった後に寄付している為、無料で見れます。
パリには他にもバルサックの住んでいた家(エッフェル塔近くPassyから徒歩の16区)、彫刻家Zadkineのアトリエだった邸宅(15区モンパルナス隣のVavainの駅から徒歩)、Musees de la Vie Romantiqueなどがあり、全て無料か800円くらいの入館料で見れます。

この15年くらいの間にパリにまだ住んでいない頃から美術館は好きでルーブル、オルセー、オランジュリー、ロダン、マルモッタン、ギュスタフ・モロー、装飾美術館など足を運びましたが、実際に住んでからは、パリらしいアーテイストの邸宅やアトリエがそのまま美術館として残っている小さな場所をお散歩がてらに行くことが増えました。

お勧めなのは、ジャック・マール・アンドレ美術館は素敵なアンテイ―クコレクターのご夫婦により音楽家、文豪、画家などが集うサロンが定期的に行われ、パリの人たちが憧れていたと言います。

今でもコンサートや結婚式のレセプションも日本の会社が行ったりしているようです。
詳しくはここよりどうぞ。

まだ行っていなくて行きたいのは、ダリ美術館。モンマルトルの丘にあり、シュールレアリズムのダリの世界を堪能できるようです。

気が付くと、ゴルドべルぐの録音を1つの大きな目標に今回5カ月のパリ滞在を企画しました。
6月末にパリへ来た時は、まだ実際にどこでいつやるかも決まっていないままでしたが、2か月かかり博物館やレコード会社、エンジニア、調律師を全てアレンジし、契約書を何回も確認し、やっと録音できる状態になり、スイスへ行き連日夜な夜な掛り無事に終わりました。
録音へ向けての練習も含め、凄い労力とストレスで、めずらしくジンマシンやモノモライになり精神的にも結構大変でしたが、本当に一仕事終えたという充実感で一杯です。
今朝、エンジニアと話しましたが、11月30日の帰国前にすでに1回目の編集を全てしてくれて、それをパリに居る間に聞いて、気に入らない個所がある場合は全てのテイクを取ったCDを聞いて、私のより納得行った部分を使用して変更などしてくれるということです。全部のテイクは7時間くらいで聞けるそうですが、始めから全部聞くと頭がおかしくなるそうなので(!!)基本的なベースになる良いテイクをエンジニアが用意してもらい、そこから選んでいく予定です。
やはり、これだけ大曲で時間を掛けて実現したプロジェクトなので、急いで出すよりも、きちんとじっくり何度も聞いて納得のいく仕上げになる方が大事だと思います。
次回パリには3月末ー4月始めまで来る予定です。
ラファエルのCDリリースのメディア向けのコンサートがシャトレ劇場のサロンであり、プライベートな音楽愛好家のお宅でのコンサート、(パリではいまだに昔のサロン文化が残っていますね)それに合わせてオーケストラの本番もラモーとオペラがちょうどあったので、2週間びっちり演奏予定ですが、時期が上手く重なって良かったです。

来年は日本ベースで3-4カ月に1回パリに来る感じになりそうです。
まだ、日本では浦島花子状態(!!)ですが、ラファエルの5月の来日に合わせて日本でもCDリリース記念コンサートを企画したいと思っています。ソロのコンサートも企画できたら嬉しいです。
ということで、フランスでの活動を逆輸入(?!)する流れで日本でも色々な楽しい企画が出来ればと思っています。
11月はコンサートで1週間、そして3-4年訪れていない懐かしいアムステルダムとバッハのお墓を拝まずには帰国できない!ということでロンドンに居る高校からの親友と一緒に4日間ドイツ旅行をしてきます。バッハの眠るトーマス教会、C.P.Eバッハのいたポツダムのサンスーシー宮殿、リストの家、ゲーテの家など見てきます。
皆様も芸術の秋、お散歩に気持ち良い秋をどうぞお過ごしください。

バッハ・ゴルドベルク変奏曲録音終了!/Bach a fini!

ルッカース所蔵のノイシャテル博物館・Le musee de Neuchatel
皆様こんにちは。
3日間の録音を無事に終え、スイスからパリへ今朝戻ってきました。
博物館前は湖で優雅にボートが停泊しています
何と昨日、録音最終日は深夜1時に終了して寝たのは3時なのですが、朝9時のTGVに乗る為に8時に起きたのですが頭の中が覚醒していて多分まともに寝ていませんね。

記録としてこの4日間を振り返ってみます。

録音前日:パリースイスTGVで5時間かけて到着。閉館時間の6pm-8時半まで練習させてもらいまました。夢の様な素晴らしい音色にただただ感激。

録音初日:午後6pmの博物館閉館後~準備。
チェンバロの上鍵盤が特に強い音などばらつきがあったので、Voicing、調律でスタートは8pmから。アリア、Variation1-13まで深夜1時まで。4フィートを使用する2つのvariationは最終日に撮る為スキップ。

2日目:博物館の都合で午後8pmスタート。早めに行って準備をしていても良いと言われたのですが、その前に腹ごしらえをしようということで、みんなお腹すいていたのでクレープ屋に。ちゃんと”sale”ご飯用のそば粉のクレープと甘いデザート様のクレープを2枚みんな食べましたね。そのお陰で深夜2時まで持ちました。

3日目:午後6pmスタートのつもりがやはり調律などで始まったのは7pmくらいでしょうか。深夜1am無事に終了。

ということで、ま~~疲れました。
同じ6時間録音するにも日中にできたらさぞかし楽だったと思いますが、閉館後でないと静寂でない為、しばしば夜に録音をすることは皆さんあるようです。

それにしても、体調のコンデイションは1日、2日、3日と深夜が続くので疲労が溜まるのは勿論なので、ゆっくり11時くらいまで寝て、3人全員朝食はスキップでとにかく寝て、起きたらもうランチみたいな。

そして、午後博物館に練習に行き、疲れない程度でやめてホテルに戻りお風呂に入って肩をほぐし、少し休み、6時前に出るという不健康な?スケジュール。

日本だとお弁当やコンビニがあるので便利ですが、勿論そんな便利な場所はスイスのノイシャテルにはなく、レストランへ行くと最低1時間は掛るわけです。

1日目はお寿司の持ちかえりを見つけて頼み、なかなか美味しかったですが量が思ったよりも少なくてみんな寝る時にはお腹がグーグー鳴ってたようです。(私も・・・)

クレープを2個食べた2日目はさすがに2時まで持ちましたね。
3日目はパリから念の為持っていったレンジで2分の五穀米とうどんを食べたり。喜んでいたのは私だけ?(笑

ルッカースは、それはそれは素晴らしい音色で本当に感激しました。
毎日、毎回弾くたびに音が違う、そんな玉手箱の様な・・・楽器でした。
Davidがルセが弾いた時も、他の子が弾いた時も、私が弾いた時も当たり前だけど音が全然違う、面白いと言ってました。

また、エンジニアの子は同じヴァリエーションを同じ下鍵盤だけで弾いても毎回のテイクでタッチの微妙な違いによって、音色も異なり、チェンバロが豊富な音色を持っているので毎回奏でる音が違うと言ってました。

それにしても、本当に凄い濃密な3日間でしたが、チェンバリストにとっては本望というか夢の様な体験だったと思います。
今回的確な指示をくれ、スムースに録音をしてくれたエンジニア&アーテイスト デイレクタ―のHannelore。
彼女自身、バロック・ヴァイオリンを弾くのでバロックの細かいニュアンスもよく理解してくれ、クリストフ・ルセやベアトリス・マルタンのグループ、その他パリのチェンバリストの録音を多く手掛けているので、安心してお願いできました。
私が気がつかない盲点や、フレーズ感をもっと出して・・・など一緒に室内楽のリハーサルをやっているような、楽しい雰囲気で録音できました。

名器を生み出す素晴らしいチェンバロ製作者のDavid Ley
今回オリジナルのルッカースを演奏して、Davidの楽器はオリジナルに一番近い音を持っている楽器だな~と実感しました。ゴルドベルク4回目のベテランで、やっぱり信頼してお願いでき、とても良いチームワークで今回無事に録音を終えることができました。

行ってきます!/en Suisse

皆様こんにちは。
今日のパリは秋晴れで、そんなに寒くありません。
さて、いよいよです!
数時間後にパリのGare de LyonからLausanneまで4時間、乗り換えて1時間でスイスのNeuchatelに到着です。
到着してすぐにホテルへ行き、博物館へ行き今夜はオリジナルのルッカースで練習させて貰います。
タッチは弾きやすかったのを覚えていますが、さすがにGoldbergの交差など色々あるのでゆっくり試して楽器に慣れます。
明日の夜から3日間にわたって30の変奏曲を録音。一体何時まで体が持つか分かりませんが、集中、短時間でできればベストです。
バッハがチェンバロの魅力を最大限に表現できる30の変奏曲をせっかく書いてくれたので、愛情を持って弾いてきます。
調律してくれるDavid Leyはスコット・ロス、曽根麻矢子さん(2回)と3回ゴルドベルクの録音に立ち会っているので『これで4回目だよ!』なんて軽く言ってましたが、素晴らしいベテランの方なので、安心してお任せできます。
エンジニアのフランス人女性もとても感じよく、テキパキと指示を出してくれるので大丈夫でしょう。
ということで、立ち会いは私含めてたったの3人。
録音が18時~深夜なので夜ごはんはどうしよう?
という大きな疑問ですが、こういう時こそ日本のお弁当やおにぎりがあったら~~と思うばかりです。
取りあえず、チンする佐藤のごはんを持っていきます。(苦笑)どこまで日本人なのか。
これから、納豆ご飯&お味噌汁を食べて出発。
13年の海外生活を続けて、どんどん和食派になっていきますね。おばちゃん化しているのでしょうか。
ジャケットに使う写真も写真家がわざわざ来れないので、アマチュアですが、100枚くらいバリバリ私が取ってきて、どうにか数枚使える写真が取れれば良いのですが。
パリーノイシャテルは東京ー広島くらいで電車TGVで行けます。飛ばなくてよいのは楽ですが、国境を超えるので、カメラマンを呼ぶと、機材の申請や関税などかかるらしく、面倒なようでポートレート写真は11月にパリで撮ることになりました。
ということで、行ってきます。
さてはて、どうなることやら。
等身大の自分で今のままの自分で良いと思いますし、それ以上も以下もできませんね。
また、数十年たったおばあちゃんになった頃にこの演奏を聞くと
『まだまだ 青い!』と思うに違いありませんが、1つの記録として残すのも良いかと思います。
それでは、ルッカースさんに色々教えて貰ってきます。
楽器は何よりもの素晴らしい財産&先生ですね。

バッハ・ゴルドベルク変奏曲録音/l’enregistrement de Bach

皆様こんにちは。
今日は、パリもうっすらとした青空です。
さて、今回パリへ5カ月来た大きなプランの1つにバッハ・ゴルドベルク変奏曲の録音があります。
いよいよ来週スイスのノイシャテル博物館にある1632年ルッカースのオリジナルで録音が3日間あります。
本当に素晴らしい名器を使用できるというのは、チェンバリストとしては夢の様な人生の中でも1度あるかないかのチャンスではないかと思っています。その為、勿論プレッシャーも凄いのですが。

幸い、9月始めにチェロソナタを録音してくれた同じエンジニアのフランス人がスイスに来てくれるので、彼女の録音の仕方に1度慣れて、彼女ならば大丈夫という信頼感があるので大丈夫だと思います。
しかしながら、録音できるのは博物館閉館後の18時ー深夜あるいは夜中、明け方まで続けたければ続けていいよということですが、体力が持たないと思うので、できるだけ集中して深夜くらいまでには終わらせたいものです。
ゴルドベルクは言わずと知れた名曲ですが、1つのアリアに対して30もの変奏曲があるので3日で撮るにしても始めの2日で撮れるだけ取れたらよいのですが、1日目は18時から調律開始。2日目は20時頃からというので結局マイクを設置して始めるノは21時頃からでしょうか。そして、3日目はもう最終日です。どの様にオーガナイズして録音するかはとても重要なので事前にテクニシャンと打ち合わせします。

この3日間の日程を押さえるまでになんと2ヶ月かかりました!
日本では考えられませんが、パリへ来てすぐの6月末にレコード会社とミーテイングがあったにも関わらず企画は宙に浮いたまま。
というのは、ヨーロッパの夏はみんなバカンスで居なくなるので3週間ー1か月連絡が取れないのも当たり前という世界。ということで、博物館の担当者がまず3週間、その後レコード会社のデイレクタ―も3週間いなくなり、その間ず~~~~っと、じ~~~~っと待つのみ・・・みたいな。
気が付くと9月=録音の2カ月前でも何も決まっていない・・みたいな。ありえん!
博物館の空いている日も限られている&私も11月末には帰国するという限られた時間の中で見つけるのは大変でした。
その後、全ての経費を計算したら予想の倍!レコード会社がこの企画できないかも・・・
なぬ~~~!!
ということで、友人達の協力を得て、ジャケットデザイン、写真、ジャケット内容のテクスト、(日、英、仏語)の翻訳は自分で担当することにして経費を大幅に削り、全てアレンジも私がやり、2週間前のミーテイングで最終的な契約書をデイレクタ―と確認し、サインしたばかり。
と思えばもう録音まで2週間?
そして、1週間・・みたいな。
日本ではありえないでしょうね。
勿論、有名な音楽家であればマネ―ジャーが全部面倒なことはやってくれるのでしょうが、私はまだまだ無名ですので、勿論全て自分で手配しないといけないのですが、色々勉強になりました。
契約書も初めて&フランス語で、サインしたら一生続くらしい・・ということは把握して、すでにCD契約をしている友人の旦那様にも読んで頂いたり、フランス語のレッスン1時間半に契約書を1語1語全てフランス語で噛み砕いて説明して貰い、この条件で良いのか確認したりしました。
あまりに大曲過ぎて無意識に凄いプレッシャーになっているようですが、友達宅で聞いて貰った際に録音した自分の演奏を聞いて、
『真面目すぎる・・・つまらん!』
ということで、何はともあれ、ここまで来るとあとは『楽しむしかない!』という開き直りの心境になりましたね。(笑)
完璧に弾ける人たちは沢山いると思うのでそれはお任せして、なぜ今自分がこの曲を録音したいのか、というもっと自分とのプライベートな関係で1つ1つのヴァリエーションのキャラクターや個性をそのまま生き生きと表現できたらいいなと思います。
先週は3人のチェンバリストに聞いて貰いビシバシ!コメントを頂き、また自分で練り、あと1週間は静かに自分で練りますが、友達にも聞いて貰う予定です。
コンサートと違うのは別に間違っても撮りなおせばよいのですが、いかに自分のアイデアがクリア―になっているかの方が大事で、あとはこの30変奏曲をどの様にオーガナイズするかというのは、とてつもない大きな課題ですね。
コンサート前には通しでやはり友人やチェンバリストにも聞いて貰い、失敗も含め良い勉強としてコンサートまで何回かしますが、録音の準備というのはまたちょっと違う感じがします。
やはりバッハの最晩年の作品であるだけに、チェンバロ音楽におけるバッハの知性と音楽性の集大成といっても良いくらい凝縮されているので、こちらの理解度が低いと読み取れないわけです。
果たして私の脳みそが足りているかは大いに謎ですが・・・
ということで、録音が終わるまでは毎日寝ても覚めても『バッハ漬け』ですが、素晴らしい名曲なのでやはり楽しみ、せっかく素晴らしいルッカースで演奏できるので楽器から伝わるもの、ルッカースで弾いてみて教えて貰うエッセンスを大事に録音できたらと思います。
ヨーロッパ、日本、アメリカで来年春以降リリース予定ですが、そんなことよりもまずは練習、練習・・・
では、皆様良い日をお過ごしください。

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