皆様こんにちは。
17世紀フランスのクラヴサン曲の特徴として、「小節線のないプレリュード」というスタイルがあります。
これは、リュートなど弦楽器の様式をそのままクラブサンへ踏襲した形です。
その為、和音は一緒に演奏するのではなく、ド~ミ~ソ~とずらして弾きます。
また、弦楽器の響きに近いチェンバロ(伊語)は音の減衰が速いこともあり、ずらして弾いた方が音が次々へと生み出され音が持続すること、またその方がエレガントに聞こえます。
フランス語やフランス音楽においてはclavecin クラヴサンと表記することが多いです。英語ではハープシコードです。
この小節線のないプレリュードの中でも多くの名曲を残した作曲科にダングルベール(1629-1691)とルイ・クープラン(1626-1661)がいます。18世紀以降の小節やテンポの決まった曲とは異なる自由さが素敵です。
ダングルベール:クラブサン曲集 1689年初版譜
ダングルベールの装飾表は、丁寧に書かれています。
クラヴサン曲の中でも華やかな装飾が魅力なのですが、滑らかに弾けるようになるまでは一苦労!
バッハも写譜をして、彼の装飾表にも同じ記号が用いられフランス音楽からの影響が伺えます。
動画は楽譜2枚目から最後までの演奏です。ご覧頂くと面白いと思います。
ト短調のプレリュートの楽譜(2枚)です。まるで宇宙に♪が浮かんでいるようですね。
演奏者により間の取り方は自由です。
この投稿をInstagramで見る
Louis Couperin(1626-1661):Prélude à l’imitation de Mr.Froberger. Please enjoy with a glass of wine( in the painting!)
This prélude is written in 17th centry improvising free style.
ルイ・クープラン: フローベルガー氏の模倣よる前奏曲
ルイクープランの自筆譜はなく、パリ国立図書館に残されているボアンの手稿譜。
この曲の冒頭。ルイ・クープランのプレリュードは全て全音符で書かれています。その為、奏者が和音の音、メロディ、装飾など分析をして大事な音は長めに弾くなど即興的に弾きます。
チェンバロに描かれているワインの絵とご一緒にお楽しみ下さい。
この曲は小節線がなく即興的なスタイルで書かれています。
この投稿をInstagramで見る