1年前にドイツからパリに装飾の為に運ばれた私のチェンバロ。
まさか1年もかかるとは・・・・・
でも、画家の方と色々とアイディアを練り、世界に1つしかないとてもユニークな装飾になりました。
画家のパトリックさんは、普段アンテイークの絵画やフレームを修復するのをメインにお仕事をしていますが、以前にフレンチダブルのオリジナルのチェンバロの修復もしていたので、安心してお任せすることにしました。
最後の最後の仕上げは、外側に張った金箔のラインをさらにアンテイーク調に見せるため、
上からとても薄く絵の具を塗り、ニスを塗る作業でした。
まさかそんなに凝ったことまでするとは、私も知りませんでしたが、オリジナルのチェンバロを修復した際に、同様にしたということでしたので、お願いしました。
確かに、前回に金箔を貼り終えたばかりの時は、金色がピカピカと光っていましたが、(ほぼ全ての現代のチェンバロはこの状態で仕上げです)今回訪れると、確かにもっと落ち着いた色のトーンで外観はアンテイークのチェンバロの様に仕上がっています。
比べてみましょう。金箔を貼ったばかりの以前の状態。
そして今回アンテイークの様に仕上げた状態。お分かりになりますね。
1年という歳月と労力、待つ忍耐がありましたが、こうして仕上がってみると大変嬉しく、細部に至るまで画家とチェンバロ製作家と話し合い決めていくので、1つ1つ納得した中で楽器が仕上がっていくのは大きな喜びです。
ドイツから7時間ドライブでこのチェンバロを取りに来た楽器製作者も、大変満足そうで、画家の方にニスの塗り方、どのような絵の具を使ったのか詳細に聞いていました。
というのも、ドイツに帰ってからもともと水色!のチェンバロにしようということで、既にブルーに塗られた蓋の後ろや鍵盤の周りを再び黒に塗りなおさないといけないからです。
そして、響板の周りもブルーのままなので、フレミッシュスタイルのチェンバロの格子模様の柄(紙に印刷されたものを張る17世紀からの手法)を張るのも、色のバランスから良いのでは?とみんなで相談しました。
夏明けには、肝心な鍵盤、弦、ジャックなど全ての機能が付けられ、張れて*音の出る*チェンバロとなってパリに再び戻ってくる予定です。
本当に、この3年間は長かったですが、あともう一息で自分のチェンバロが弾けると思うと、とても嬉しいです。
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