皆様こんにちは。
今日は、パリもうっすらとした青空です。
さて、今回パリへ5カ月来た大きなプランの1つにバッハ・ゴルドベルク変奏曲の録音があります。
いよいよ来週スイスのノイシャテル博物館にある1632年ルッカースのオリジナルで録音が3日間あります。
本当に素晴らしい名器を使用できるというのは、チェンバリストとしては夢の様な人生の中でも1度あるかないかのチャンスではないかと思っています。その為、勿論プレッシャーも凄いのですが。

幸い、9月始めにチェロソナタを録音してくれた同じエンジニアのフランス人がスイスに来てくれるので、彼女の録音の仕方に1度慣れて、彼女ならば大丈夫という信頼感があるので大丈夫だと思います。
しかしながら、録音できるのは博物館閉館後の18時ー深夜あるいは夜中、明け方まで続けたければ続けていいよということですが、体力が持たないと思うので、できるだけ集中して深夜くらいまでには終わらせたいものです。
ゴルドベルクは言わずと知れた名曲ですが、1つのアリアに対して30もの変奏曲があるので3日で撮るにしても始めの2日で撮れるだけ取れたらよいのですが、1日目は18時から調律開始。2日目は20時頃からというので結局マイクを設置して始めるノは21時頃からでしょうか。そして、3日目はもう最終日です。どの様にオーガナイズして録音するかはとても重要なので事前にテクニシャンと打ち合わせします。

この3日間の日程を押さえるまでになんと2ヶ月かかりました!
日本では考えられませんが、パリへ来てすぐの6月末にレコード会社とミーテイングがあったにも関わらず企画は宙に浮いたまま。
というのは、ヨーロッパの夏はみんなバカンスで居なくなるので3週間ー1か月連絡が取れないのも当たり前という世界。ということで、博物館の担当者がまず3週間、その後レコード会社のデイレクタ―も3週間いなくなり、その間ず~~~~っと、じ~~~~っと待つのみ・・・みたいな。
気が付くと9月=録音の2カ月前でも何も決まっていない・・みたいな。ありえん!
博物館の空いている日も限られている&私も11月末には帰国するという限られた時間の中で見つけるのは大変でした。
その後、全ての経費を計算したら予想の倍!レコード会社がこの企画できないかも・・・
なぬ~~~!!
ということで、友人達の協力を得て、ジャケットデザイン、写真、ジャケット内容のテクスト、(日、英、仏語)の翻訳は自分で担当することにして経費を大幅に削り、全てアレンジも私がやり、2週間前のミーテイングで最終的な契約書をデイレクタ―と確認し、サインしたばかり。
と思えばもう録音まで2週間?
そして、1週間・・みたいな。
日本ではありえないでしょうね。
勿論、有名な音楽家であればマネ―ジャーが全部面倒なことはやってくれるのでしょうが、私はまだまだ無名ですので、勿論全て自分で手配しないといけないのですが、色々勉強になりました。
契約書も初めて&フランス語で、サインしたら一生続くらしい・・ということは把握して、すでにCD契約をしている友人の旦那様にも読んで頂いたり、フランス語のレッスン1時間半に契約書を1語1語全てフランス語で噛み砕いて説明して貰い、この条件で良いのか確認したりしました。
あまりに大曲過ぎて無意識に凄いプレッシャーになっているようですが、友達宅で聞いて貰った際に録音した自分の演奏を聞いて、
『真面目すぎる・・・つまらん!』
ということで、何はともあれ、ここまで来るとあとは『楽しむしかない!』という開き直りの心境になりましたね。(笑)
完璧に弾ける人たちは沢山いると思うのでそれはお任せして、なぜ今自分がこの曲を録音したいのか、というもっと自分とのプライベートな関係で1つ1つのヴァリエーションのキャラクターや個性をそのまま生き生きと表現できたらいいなと思います。
先週は3人のチェンバリストに聞いて貰いビシバシ!コメントを頂き、また自分で練り、あと1週間は静かに自分で練りますが、友達にも聞いて貰う予定です。
コンサートと違うのは別に間違っても撮りなおせばよいのですが、いかに自分のアイデアがクリア―になっているかの方が大事で、あとはこの30変奏曲をどの様にオーガナイズするかというのは、とてつもない大きな課題ですね。
コンサート前には通しでやはり友人やチェンバリストにも聞いて貰い、失敗も含め良い勉強としてコンサートまで何回かしますが、録音の準備というのはまたちょっと違う感じがします。
やはりバッハの最晩年の作品であるだけに、チェンバロ音楽におけるバッハの知性と音楽性の集大成といっても良いくらい凝縮されているので、こちらの理解度が低いと読み取れないわけです。
果たして私の脳みそが足りているかは大いに謎ですが・・・
ということで、録音が終わるまでは毎日寝ても覚めても『バッハ漬け』ですが、素晴らしい名曲なのでやはり楽しみ、せっかく素晴らしいルッカースで演奏できるので楽器から伝わるもの、ルッカースで弾いてみて教えて貰うエッセンスを大事に録音できたらと思います。
ヨーロッパ、日本、アメリカで来年春以降リリース予定ですが、そんなことよりもまずは練習、練習・・・
では、皆様良い日をお過ごしください。
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