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claveciniste et pianofortiste

バッハ:パルティータ録音③

無事に帰国して時差もままならない中、録音した350テイクを聞き始めました。 音楽監督とエンジニアが録音中に楽譜にメモした良いテイクを参考にしながら、私自身で全て聞きながらCDに使用するものを選んでいます。2011年に撮ったゴルトベルクも膨大な時間がかかりましたが、自分の納得がいく出来に仕上げる為に努力を惜しんではいけないと思います。 芸術監督&チェンバリスト&ピアニストのオルハン・メメッド氏は、自分で編集作業までして毎年CDを出していますが、「編集作業=始まり」だよと教えてくれました。私の中では「録るの半分&編集半分」と思っていましたが、オルハン曰く録ってからやっと音の素材が集まりここからがスタートだよ!と。 絶句。。。 なぜなら、取りに行くまで5年の歳月を費やしたからです。 31 6 29 2012年にゴルトベルク変奏曲を発売後、2015年に東京で「パルテイータ全曲」コンサートを2回に分けて行いました。数年間、ずっとオリジナルで録りたいという願いがあり、パリ楽器博物館にルッカースで録る申請を出して1年待ち許可が出たにもかかわらず、日程が合わずに流れてしまいました。 最終的にはご縁で今回のクロールという楽器で録らせて頂くことになり、こんなにありがたいことはないと感激していました。しかし、フランスへ録りに行くまでの半年間は現地スタッフとフランス語のメールを頻繁にして、6月に楽器を下見しにエンジニアのジャックと行き、全て自分でオーガナイズしなければなりませんでした。 9 8 7 また全曲の練習を生徒のレッスン30人の合間に時間を作るのに一苦労でした。 どうにか準備を整えフランスへ経つ日を迎えました。やっと録り終えて戻ってきたら、「これからが始まり・・・」とのことです。

数日前に第2番の1回目の編集が出来上がりチェンバロの先輩や同僚に聞いてもらったところ、”独特な音色”とコメントを頂きほっと胸を撫で下ろしたところです。 編集作業は何回も同じ演奏を聞き続けるため客観的に聞くのが難しくなる為、初めて聞いた人がどういう感想を持つのかも大変参考になります。 納得いくものに仕上がるため、年末に籠って急ピッチで進めます!

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