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claveciniste et pianofortiste

ルッカースの旅/Le Voyage de Ruckers

皆さんこんにちは。

可愛らしいアルザス地方の街コルマール
パリの寒さもやっと零下から0度以上に戻り、随分穏やかに感じます。
さて、この3日間はフォルテピアノのコレクションを見た後にフランス・コルマール博物館とスイス・ノイシャテル博物館にある有名なルッカースのチェンバロを見に行ってきました。

3か月くらい前から行きたい行きたい・・・と思っていたのですが、なかなかお手紙を書いたりできなくて、結局1月になってしまいましたが、今世界でも現存している名制作家ルッカースの実際に弾ける状態のチェンバロを弾かせて頂くということは大変貴重な経験となりました。
詳細はまた書きますので、取りあえず写真のみUp致します。

有名なMusee de Unterlinden.オフィシャルサイトはこちらからどうぞ。
窓際からチェンバロの音が何となく聞こえてきました。
あれ?
と思って中に入ると、約束をしていた前の官庁さんがチェンバロを弾いていました。
とてもチェンバロに詳しく、スカルラッテイから、フランソワ・クープランまで楽しそうに弾いていました。こういうチェンバロに詳しい方が管理をしていると、楽器も大事に保管され、多くのチェンバリストやピアニストにも公開され、チェンバロに親しめる環境を作っているということです。

1624年ルッカース。外の装飾はアントワープからパリに来てどこかの工房で新しい装飾にされました。
足は、ヴェルサイユ宮殿に今も保管されているもう1つのルッカースチェンバロを同じ装飾です。
記念にパチリ。
2年前に少しだけ弾かせてもらった機会があるのですが、その数分でもこのルッカースの素晴らしい鳥肌が立つような低音、そして上の段と下の段の音色の違い、(本当に何とも言えない色がそれぞれ感じますが、オリジナルならではという感じです。)などが記憶に残っており、再度またこの名器に再会できたのはとても嬉しかったです。
そして、私の持っているチェンバロもこのコルマール・ルッカースがオリジナルのモデルになっています。
やはり286年経っているチェンバロと新しい楽器の響きは全然違いますね。

朝5時起きで電車に乗って見に行ったかいがありました!午前中いっぱいずっと弾かせて頂き、スイスへ電車でいくことに。

コルマールは木組みの家とこのような木彫りのお人形などがとても有名です。
クリスマスには家全体のイルミネーションのコンクールもあるので、みんな色々な工夫をしているそうです。

コルマールはほぼスイス寄りの国境の町で、40分電車に乗るとすでにスイスのバーゼル、そのまま2時間半ほど電車に乗るともう1つのルッカースのあるNeuchatel(ノイシャテル)に到着します。
抜けるような青空です。左の雪の山はちょっと富士山に似ているでしょ?と。そうですね。
よく見ると真ん中にスカイダイビングをしているパラシュートが見えます。
こんな絶景とお天気の中でスイスの景色を眼下に飛ぶなんて、最高ですね!
NeuchatelのMuseumにあるRuckers 1632年
全て手描きの素晴らしい装飾です。よく見ると、ネコ、クマ、ライオン、鳥、猿などが描かれているとてもユーモラスです。

パリのチェンバロ制作家・Von Nagelの工房で修復されています。




よく見ると・・・
閉じた蓋の装飾
中央のクマが持っている輪っかに狼?がとくぐろうとしています。

これは、鶴?は食べれるけど、狼は食べれないで見ています・・・
そして、この平皿を狼は食べてますが、鶴は食べれなくて見ています・・・面白いですね。
動物やこのユーモアの中にも何かを象徴していたり、ストーリーがあるのではないでしょうか?
そんな謎解きを17世紀の絵画や象徴、レトリックなどからするのも楽しいですね。
さる、ライオン、ロバ、馬などと金貨?などがある箱が開いています。
素晴らしい響板のローズ
300年以上たっているとはいえ、未だに素敵ですね
エビ!
Flemishのチェンバロの響板には、花だけでなく、虫や蛾なども描かれていますが、ブルーの典型的なフレミッシュのアラベスクの中は“お庭”と例えられていたと聞いたことがあります。
だから綺麗なお花だけでなく、色々な虫などもいるそうです。
でも、エビは一体どこから?
まだまだ、知識が足りないですね。
でも、当時の画家のモチーフを1つ選ぶにもきっとその裏には“花ことば”など全て理由や象徴があったに違いありません。
いつか、もっと分かるようになりたいですね。
取りあえず、この美術館に普通に行って、ただ見るよりもこの写真からはもっと詳細をご覧頂けたと思います。

楽しんで頂けましたでしょうか?
音?
音はさすがにお伝えできませんが、本当にタイムスリップしたような・・・・
300年以上時を超えて今も聞こえるチェンバロの音とは、本当に体全体に、そして心に伝わります円。

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