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claveciniste et pianofortiste

受難曲の季節/la saison de la passion

オランダに住んでいた時、この季節になるとマタイ受難曲の10回コンサートツアーとか、オランダ中で受難曲が演奏されます。パッション(Passion)の季節がまた来たかな・・・と言う感じです。
オランダは今でもプロテスタントの多い国で質素な生活ぶりからも宗教が強く影響しているのを感じます。暗くなって部屋の中を明るくして外から丸見えでもオランダは“見えっぱなし”です。
日本やフランスだとプライベートを見せるのは好みませんからカーテンや雨戸を閉めますね。
しかし、オランダの開けっ放しの習慣はどうやらプロテスタントの“私達はやましいこをは何もしていません。神様に見せても恥ずかしくないです”という様な思想からオープンなままなんだと聞きました。なるほど。
お薦めCD.アーノンクール指揮:ウィーン・コンツェツトゥス・ムジクス,アルノルト・シェーンベルク合唱団,ウィーン少年合唱団,
4年前にアムステルダムからパリに引っ越してくると、あれだけ受難曲のコンサートがあったのに、ぱったりとない訳です。そして、その代わりにフレンチバロックの作曲家、シャルパンティエ(Charpentier)などの教会音楽が多く演奏され、受難曲はベルギーやオランダ、ドイツのオーケストラがパリに来て演奏したりしています。
私は特に宗教にはこだわりがない為、お恥ずかしいですが聖書を読んだり詳しい訳でもないのですが、国によってこんなに宗教色は音楽とも密接に関わっているのか…と感じますね。
それこそ、アメリカに居た時は受難曲の季節?なんていうのも全く意識せずにポテトチップスを食べていたような気がします。(苦笑)でも、勿論N.Yなどバロックの盛んな都市ではコンサートが行われているようです。
リュートを弾いているSt-Cecilia
ということで、今日何となくバッハのマタイ受難曲を聞いていたのですが、何と言うか心を打たれますね。
1曲1曲、どの楽器の為にバッハが書き、どの調性を選んでいるのか、全て意味があるようです。これも勉強不足で全てのことをまだ理解していないのですが、例えばf-moll(ヘ短調)で書かれているアリアは“死”を象徴し、そこで美しいメロデイーを奏でる楽器は当時悲しみを象徴する楽器であった、トランぺットがキリストの復活を高らかに知らせるなど・・・
余談ですが15世紀くらいからずっとオルガンは天の声を地に降ろすことのできる、“神聖な楽器”として象徴されていた為、音楽の神様、St-Ceciliaはいつもオルガンやリュートを手に持って描かれていました。
リュートなどは調和=ハーモニーを象徴していたようです。
イタリア、ボローニャにある素晴らしいSt-Ceciliaの天を見あげた絵。地上にはその他の楽器がばらばらに壊れています。他の楽器は世俗的な象徴でした
それらを勿論バッハは熟知した上でこの壮大な受難曲を作った分けです。その知識、どこまで深く考慮して作曲したか、私はまだ一握りも分かっていないかもしれませんが、それでも音楽の訴えるものというのは強く伝わってきます。
ドイツ語は高校3年間で挫折したままなのですが、それでもやはりバッハのカンタータ等も含め、言語で理解できたらもっと深く音楽も感じ取れると思います。やはり言語の習得というのは音楽とも深く関わっていますね。
ヨーロッパの文化と言語の習得はまだまだですね!

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