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claveciniste et pianofortiste

嬉しい再会/la rencontre


今日は、嬉しい再会がありました。
隣に住むSちゃんは、今から17年ほど前に私が自宅でピアノレッスンを始めた時に、ドレミから小学校2年生で始めました。
15年位前のピアノの発表会
その後、真面目に練習して、とても良く弾ける様になり、趣味でベースを弾くお父様も一緒に参加して楽しい発表会をしたりしました。懐かしい思い出です。
その後、私がアメリカ留学をする事になり、同級生のピアノの先生に引き継ぎをお願いしました。

あれから17年経ち、Sちゃんは銀座の高級デパートで働いています。
先日、銀座へ楽譜を買いに行ったついでに【Sちゃんはいるかな?】と寄ってみると、私なぞは入れない様な静かな、高級感溢れる雰囲気。
偶然、歩いていた横から【植山先生?】と声をかけて頂き、見るとスーツを着て、とてもお淑やかなSちゃんが立っていました。
≪言われなければ、全然分からなかった~!!≫なんて、言いながらその場は、ご挨拶をして失礼し、後日、ピアノ&チェンバロレッスンを再開したというお知らせをしたら、またレッスンを始めてみたいという嬉しいメールが来ました。
なかなかお仕事がシフト制の為、毎週定期的に通えないのでお稽古ができない・・・という事でした。
1716年出版されたフランソワ・クープラン L’art de toucher le clavecin の当時出版された楽譜。パリの図書館で実際に拝見させて頂きました。
お隣さんということもあり、無理しないペースでチェンバロだけでなく、仏文科でフランス語にも親しんでいたSちゃんなので、F.クープランの18世紀に書かれた≪クラブサン奏法≫(L’art de toucher de clavecin)に、フランス語でチェンバロのタッチ、指使い、また演奏時には斜め45度でお客様から見てエレガントに見える様に・・・
表情がこわばらない為に鏡を置いて練習しましょう(!!)
など、フランス人のユーモアとセンスに溢れた18世紀のメソッドをフランス語で読みながら、レッスンを始めましょうかという事になりました。
チェンバロとフランス語を同時に楽しみながら学べます。私自身、今まで全部は理解できなくても、和訳や英訳と照らし合わせたり、辞書を片手に当時の文献を読み、とても良い勉強になりました。
スペルが現代フランス語と違う古フランス語になのも、面白いです。
今日は、チェンバロに触れてもらうためにバッハの平均律1巻の有名なPreludeを初見で弾いてもらったのですが、見ていると指が長く、鍵盤に自然に馴染んでいるようなタッチでチェンバロに向いているんですね。
Sちゃんも、昔からピアノのレッスンで【卵を持っている様に丸くして弾いてと言われてもできないんです】と。
もしや・・チェンバロ向き?
ということで、自然に力の入らないタッチでバッハを奏でている姿に私もとても嬉しくなりました。

何よりも、嬉しかったのでは、先生!と言って左手の指輪を見せてくれて【結婚したんです!!】
≪おめでとう~~~~!!≫
とすっかり、隣のおばちゃん気分。
何しろ、Sちゃんが産まれ、その後元気に走り回って遊んでいた姿からお姉さんになり、今では素敵なレディー&社会人になられたという経過を見てきたので、とても嬉しいですね。
今日は、とても心暖まる時間でした。

フランスやイタリア、スペインにも行ったことのあるSちゃんなので、忙しい間にチェンバロを習うだけでなく、1つの≪ヨーロッパ文化に触れる≫つもりで、チェンバロと共に音楽や絵画にも精通する象徴学、調整論(各調整によって死=f-mollを表したり、栄光=D-durを表したり、バッハ等はみんな知って選び作曲していた)ことや、ピアノが発明される前にどの様な音楽があったのか・・・
など、も含めてお伝えして行ければと思います。
今まで私が13年間欧米で経験して≪そうなの?知らなかった≫という新鮮な発見や驚きを、皆さんにも体験してもらえるような、そんな楽しいお教室になっていけば良いなと思っています。

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