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claveciniste et pianofortiste

植山けい チェンバロリサイタル 無事に終了!

皆様、こんばんは。 チェンバロリサイタルが無事に終了致しました。 本当に多くの方がたにご来場頂き、感謝の気持ちで一杯です。

チェロのラファエルは、リサイタル当日のお昼に東京に飛行機で到着し、ホールで音響チェックをして、チェンバロとのバランスなどを確認し、仮眠をとり、コンサートへ望みました。 いつも、ラファエルはコンサート前は、パリだろうが、フランスの田舎の教会だろうが、東京だろうが、コンサート直前は頭を空っぽにする為か仮眠をとります。

普段の彼のスケジュールは毎日違う国に居るということも珍しくありません。 実際、パリでリハーサルして本番までの数日は、パリでレッスン、リハーサル後にスペインに飛び、空港から4時間ドライブでフランスの田舎に到着してコンサートをし、翌日は隣のルクセンブルク公国へ3時間ドライブで弾いて、夜中2時にはフランスへ帰ってくるというタフぶり!

日本が大好きでここ10年ほど毎年来日しているので、日本の良さを尽くし、築地のお寿司屋さんを食べたら、パリのお寿司は全くの”別物”!!と言っていました。

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さて、今回の伝承ホールにチェンバロを運び込み、調律のため私は1度ホールから出たのですが、戻ってくると、調律師さんが真っ青。

”湿度28%が続いていて、このままだとチェンバロの響板(弦を張っている数ミリの厚さしかない)が割れますよ・・・” 何回もコンサートのサポートをお願いしている調律師さんがおっしゃるのだから、間違えない。。。

家から2台と調律師さんの大型の加湿器をつけたものの、大きなホールの舞台では、ほとんど変化なし。 急いでホール担当者に訴えても、責任者の了承を貰わないと対応できないと。

すぐに、事務局の責任者が来て下さり、どうやら渋谷区の建物なので、湿気は最低レベルのからからの乾燥状態だということ。 湿気を送り出す機能はホールだけ起動することができずに、建物11階分全部を起動しないといけないということ。

なぬ~~~!!汗

でも、コンサート前に楽器が壊れては、身もふたもない。 一生この楽器の致命傷になりかねないということもお伝えし、湿気を送り込むことを起動して頂いたのですが、時間がかかるということ。 その間、チェンバロの周りだけでも、バケツに水を張ったり、雑巾に水を含ませて床に置いたり・・・

何よりも大変そうだったのは、調律師さんが1時間以上にわたり、両手に霧吹きでチェンバロの周りを歩いて吹き続けて下さった事。 腱鞘炎になるのでは?と心配になってしまうほど。

しかし、その甲斐があり一気にチェンバロの周りだけどうにか28%→40%までUp! その中で、ステージライトを付けても熱でさらに乾燥する為、本番もお客さんにとって見えるギリギリの必要な照明の低レベルに設定。 リハーサル中もチェンバロ内が乾燥しないように、蓋は閉めたまま。

客席も真っ暗で、舞台は楽譜がよめるすれすれの最低の明るさ。 ラファエルにこの暗さでも楽譜見える?と聞いたら、よく教会にスポットライトだけで弾いたりして居る為

”Pas de probleme!” (全然問題ないよ!)

ありがたや~

ということで、どうにか開場の18:30分を迎えたものの、楽器に何かあっては!?と心配するなか、ドレスに着替え気が付くと本番2分前には客席は お客様で埋まり、Go!

舞台裏では色々なことがあっても、来てくださったお客様には笑顔で楽しんで頂きたい。 ということで、集中し、深呼吸をして舞台へ。

バッハのFantasieとFugue (ファンタジーとフーガ)を演奏後、初めてチェンバロを聞きにいらっしゃる方も多くいるのでは?と思い、楽器の説明後、ラファエルを紹介し、 登場して頂き、バロックチェロの説明。

ラファエルとはざっと楽器の説明ね。と楽屋で話していたものの、弓やガット弦まで説明し、私の頭の中では、通訳する内容がどんどんと長文になっていき、 話し続けるラファエルに思わず、笑ってしまいました。 気が付くと15分もかかってしまい、ラファエルがバッハの無伴奏チェロ組曲を弾き始めのころにもう7:25分?!?! ・・・・

ということで、急遽その後のチェンバロソロのパルテイータ2番も繰り返しをカットしたり・・・

後半は、演奏に集中しようということでトークなしに最後までチェロソナターチェンバローチェロソナタの流れ。 最後のアンコール前に、是非ラファエルが一言お話をしたいと。

実は、コンサート10日前に世界的なチェリスト・ヤーノシュ・シュタルケル氏がアメリカで亡くなったということ。 ラファエルと、奥さんのパスカルは共にアメリカのインデイアナ大学でシュタルケルに学び、心から悲しいできごと・・・と心を落としていた。

ラファエルの滞在先のホテルとフランスのラジオ局をつないで、ライブインタビューや新聞の取材などを受けていたということ。 是非、アンコールのヴィヴァルデイのゆったりとした曲を、シュタルケルに捧げたいと。

最後に2人で呼吸を合わせて演奏し、そしてゴルドベルク変奏曲のアリアを演奏させて頂きました。

ラファエルとは、来年1月にナントでコンサートをします。 本当にかけがえのない、素晴らしい友人であり、尊敬すべき音楽家です。

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フランスから来日していた共通の友人であるアンサンブル・コントンポランのチェリスト、エリックマリアも駆けつけてくれました!

また、日本で素晴らしい企画ができることを、願っています。

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いつも仲良しのお友達からは、素敵なお花をプレゼントして頂きました!

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