皆様こんにちは。
暖かい日和が続いていますが、コロナウイルスのことがまだまだ心配です。
フランスやアメリカのニュースを見ていますが、欧米の状況はかなり深刻です。既に、イタリアやフランスでは約1ヶ月が過ぎようとしています。
フランスでは、外出の際には目的、1キロ以内、1時間以内の外出と記載した紙を持っていないと罰金が課されます。始め35ユーロ位だったのが、135ユーロ、遂には2回、3回目に違反すると30万以上もの罰金を支払うそうです。それだけ、外出禁止令が出たばかりの頃は、人々の認識が低く南仏では海岸へ行ってしまう人々を注意する警察官の姿などが映っていました。
現在は、多くの感染者と医療崩壊を防ぐためにTGVの高速列車の中に仮設ベットと医療機器を設置して、受け入れ可能な地方の病院や軍のヘリコプターで隣国のドイツなどへ搬送しているそうです。
そんな中、欧米にいる私の音楽仲間達はどうしているのか心配で連絡を取っていますが、皆せっせと目標に向かって毎日を過ごしています。
4月にイタリアでコンサートを一緒にするはずだったピアノ&チェンバロ奏者は、3月にパレルモで予定していた全曲スカルラッテイのソナタで構成したコンサートがキャンセルになってしまったとのこと。気分転換にイギリス組曲を弾いているそうです。NYの友人は毎日バッハの難曲、ゴルトベルク変奏曲(全30変奏曲)を毎日1曲ずつ動画配信、去年一緒にフランスでコンサートをした同僚は、バッハ:平均律(48曲)を弾き始め、オランダにいるアムステルダム音楽院へ留学中のルームメートだったフォルテピアニストはモーツァルトのソナタ全曲を弾いているとのことです。
皆、今しかできない目標を作り、着々と日々向かっています。そんな姿に勇気付けられますね。
残念なことに、私も4月に予定していたローマ公演、5月&6月の東京公演も中止、延期となりました。
しかし、気分転換と新たな目標に平均律全曲を弾き始めました。長いマラソンの様ですが、美しい旋律や難解なフーガを弾いてると、「バッハはどれだけの時間と労力を費やしてこれらの名曲を書いたのだろう」と改めて偉大さを感じます。1か月どころか1年以上かかるかもしれません。
どんな状況でも音楽があることで生活に軸ができます。
パリにいるピアニストの友人とビデオで話したら、「10日間一歩も家から出ていない」とのことでしたが、お部屋には素敵なシャクヤクのお花が飾られ、ゆったりとした時間の中で日々をポジテイブに過ごしているようでした。
お花は在庫が余っている生産者を助けようという動きから、ネット注文をして宅配でドアの前に置く配達方法で届くそうです。
既に、パリの音楽教室では4月は全てのレッスンをお休みとなり、個人レッスンの生徒はオンラインレッスンで行っているそうです。
お話をした後、10日ぶりに歩いたサン・ルイ島の写真を送ってくれました。
素敵な夕日ですね。ノートルダム大聖堂の焼け跡が、まだ痛ましいそうです。
私がパリ留学から本帰国する時にも、このノートルダム大聖堂の大きなカリオンが鳴り響いていました。
全世界で安心できる環境に一日も早く戻ることを願うばかりです。