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claveciniste et pianofortiste

コブコレクション/Cobbe’s Collection

イギリス楽器博物館めぐり3日目:Cobbe’s Colletion
ロンドンの南西にあるサリー州に大変素晴らしいコブコレクションがあります。Cobbe CollectionのWebsiteはこちらから。
ロンドンのWaterrloo駅から45分でHorsleyという駅に到着し、そこから車で10分ほどです。
行き途中に電車で私の生まれたWimbledon、そして40年前に家族の家があったHinchley Woodという駅を通り、何とも言えない懐かしいというか、思いがけぬ喜びでした。10年ほどイギリスに住んでいた両親が一緒に居たらさぞかし喜ぶだろう・・・と思いました。

さて、Horsleyに付きこれまで敷地はどこまでも続く広い広い庭。というか牛がいました!
そして何とこの牛の赤ちゃんはその日の朝生まれて3,4時間後には起き上がってこの通り、お母さんとお散歩をしていました。
入口
最初に通された部屋。マリーアントワネットの為に特注で造られたErardのスクエアピアノ:Erard 1787、が奥に何気なく置いてあります。とても軽いタッチの楽器でした。Square Piano by Sebastien Erard, Paris, 1787. Reputedly made for Queen Marie-Antoinette.
ウイーンのMozartの友人でありフォルテピアノメーカーであったスタインの弟子の作品と言われている。Mozart,Haydnなどの時代です。
Grand Pianoforte by a pupil of Johann Andreas Stein, South Germany or Vienna,
last quarter of the 18th century.

ウイーン、アントン ワルター1815年/Anton Walter and Son, Vienna, c. 1815.
これは大変貴重なヴァルターの後期のフォルテピアノです。外観はかなり修復されたようですが、タッチも軽やかで何とも言えない品のある音でした。ベートーベンのソナタなど合います。
隣の部屋は素晴らしいチェンバロが2台、クラヴィコード1台、ピアノが2台あります。

アンドレアス・ルッカース1636年/ヘムシュ 1763年・Andreas Ruckers, Antwerp, 1636.Ê Ravalement by Henri Hemsch, Paris, 1763.
この大変有名なチェンバロ、ルッカースはかなりオリジナル楽器としてはかなり弾きやすいタッチでした。勿論修復されていますが、エジンバラにもあったルッカースもそうですが、本当に豊かな響きがします。17世紀、18世紀のフレンチバロックのレパートリーをこのチェンバロで弾くのは至福の喜びですね。作曲された年代と同じ頃に製作されていますからピッタリきます。
1年ほど前にクリストフ・ルセも来てこのチェンバロでコンサートをしたそうです。
ナネット・シュトライヒャー・1823年。王女よりコブコレクションを運営しているナショナル・トラストへ贈呈されたピアノ/Grand Pianoforte by Nannette Streicher, Vienna, 1823.
Loaned by H.M. The Queen to The National Trust, in the care of The Cobbe Collection Trust.

この素晴らしい名器も高音が何とも言えない優しい音色で素晴らしいタッチでした。メンデルスゾーンやシューベルトにはぴったりですね。
グラーフ1819-20年/Conrad Graf, Vienna, c. 1819-20.
このグラーフはFinchchocksのグラーフや他の場所で見たものよりも、何とも愛着が湧くと言うか、1回弾いたら離れられない!というくらい甘い、柔らかい響きで感激しいました。本当に素晴らしい名器で欲しくなってしまいましたが、勿論・・・そんなことは現実から程遠いですが、一瞬の幸せでした。
グラーフ 1836年・作曲家グスタフ・マーラー所有のピアノを死後、孫のマリアナによって寄付された。修復していないのでハンマーや弦も全てそのまま当時のオリジナルの状態で残っている貴重な楽器です。
Conrad Graf, Vienna, c. 1836. Owned by Gustav Mahler and acquired from his granddaughter, Marina.

ブロードウッド 1847年、ショパンがロンドンのコンサートで使用した貴重なピアノ。
John Broadwood and Sons, London, 1847.
Chosen by Fryderyk Chopin for his English recitals.
The property of the Royal Academy of Music, on permanent loan to The Cobbe Collection Trust

軽やかでイギリスのアクション独特ですがショパンも弾いたのかな~~と思うと大変興味深かったです。通常のブロードウッドよりもピアノの周りに家具のように彫りの模様が入っている凝っている装飾です。
プレイエル 1846年・ショパンが所蔵していたと数年前に発見されて話題になりました。
Ignace Pleyel 1846, owned by Chopin.

全体的に修復、調律もきちんとされ、管理されている素晴らしいクオリテイーのコレクションでした。案内して下さったAlisonさんもとても寛大で普通は写真も弾くのも禁止らしいですが、どちらもOkして下さりカタログまで用意して下さいました。
聞けば、私のアムステルダムのチェンバロの先生 Menno ven DelftもCobbeとエジンバラコレクションを訪れて録音もしているので、皆せっせとオリジナル楽器を求めて旅をしているんですね。
行き方など詳細はまたUpしますのでご興味のある方は各サイトからメールでコンタクトをすれば、予約を取れます。
コブコレクションを見て、そのままユーロスターで2時間半後にはパリ到着!という東京ー大阪?の様な感覚でしょうか。遠い様な近い様な。
念願のコレクションをじっくりと3日間見れて本当に想像以上に充実した時間でした。
明日からはバッハのブランデンブルク協奏曲全曲コンサートの為南仏に行きます。それが終われば夏休み!
では、皆様も良い夏をお過ごしください。

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