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claveciniste et pianofortiste

バッハの旅 その2/Le voyage de Bach Nr.2

バッハのカフェに入りたいな~!という思いを後に、取りあえず博物館へ・・・
すると、2時間以上じっくり見れるほどの充実した内容でした。
そんなに大きな博物館ではないのですが、何しろバッハの自筆譜や有名な肖像画などが勢ぞろい!しているので、音楽家やバッハファンにはかけがえのない資料ですね。
それでは、一緒に見て行きましょう!
Originalという文字/このお部屋の物は全てOriginalということだそうです。
1747年にJ.Sバッハが音楽学術教会へ入会した際に提出したハウスマンにより【肖像画】
手元に持っている楽譜は6声の3重カノンです。
当時は、勿論今の様に証明写真もないので、画家さんに絵を描いて貰い、この手元に持っている無限カノンには、【数字】大好きなバッハからのメッセージがあります。

この音楽学術教会には、すでにヘンデル、テレマンというバッハも尊敬している音楽家が会員になっています。
大学の頃に有田正広先生の授業で、この3声無限カノンについて聞いた時は、本当に驚きました。
もう10年以上前の記憶なので、きちんと覚えていないかもしれませんが・・・
①1747年
この音符には、実は入会した【1747年】=1+7+4+7=19
確か2段目と3段目の音符を足すと19個の音符=入会年を音楽で表していたと思います。
バッハのpapa!やっぱり恰幅が良いですね。(笑)
②カノンの低音ライン=バスは、ゴルトベルク変奏曲にも使用されているシンプルな低音ですが、もともとはテレマンがよく用いた典型的なラインで、14代目に入会するバッハとしては、13代目に入会た【テレマン】を尊敬しているという意味で、彼を象徴するバスラインをここに使用したということです。

③バッハの名前=14&41アルファベットをAから順番に1,2,3と数えていくと、
B=2
A=1
C=3
H=8
BACH=14
になります。
J.S BACHを足すと41 になります。
ラテン語ではI=Jは同じとされていたので、J=9になります。
ということは、14も41もバッハの名前を象徴するシンメトリックな数字です。
ということで、曲の中に出てくるカノンが14回だったり、41回であることはしょっちゅう。
でも、聞いている人にはほとんど分からない楽譜の裏のメッセージ。

果たして、どうしてこの様な数字のメッセージをバッハは作曲の中に織り込んだのでしょうか・・・
有田先生曰く、敬虔なプロテスタントであったバッハは、
自分の音楽を全て神へ捧げていたのではないか
だから、聞く人には分からなくても、自分と神の間には、常に絶対的な忠誠を近い、カンタータやミサ、受難曲を教会の為に作曲したのではないだろうか・・・
この推測は、なるほど・・・と思えるものでした。
この赤い丸の部分は、次ページの音符です。バッハもめくれるタイミングでない場合は、【あんちょこ】みたいにちょっと楽譜の隅に書いていたんですね。今は、みんな縮小コピーして貼ったりしますね(笑)
この肖像画の話を聞いた頃は、大学の試験やコンクールで必ず課題にあるバッハの音楽が、実はそんなに深淵なものだったとは・・・
と強い印象を受けました。
そんなこともあり、ただ器用に上手にバッハをピアノで弾くというよりも、できるだけバッハの目指した音楽に近ずきたい・・・と古楽に興味を持ち始めたのもこんなきっかけだったかも知れませんね。
Continuo(通奏低音)パート
ゴルトベルク変奏曲が書かれたのも1741
そして、1975年にフランスのストラスブールで見つかった初版譜の最後のページにバッハ自身が書いた【14のカノン】が見つかり、今はパリのBibiliotheque national(国立図書館)に保存されています。
変奏曲の最後に14のカノン=BACHのカノンによってバッハがサインしたとも考えられるという論文を昔アメリカで修士論文の研究をしている時に読んだ気がします。粋ですね。
しかし、このカノンは筆跡鑑定などから晩年の【音楽の捧げもの】を書かれた1747-48年だろうということです。
さて、まだ博物館へ入って5分位の内容で随分長くなってしまったので、次回へ・・・

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