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claveciniste et pianofortiste

スカルラッティ/D.Scarlatti

先日、10年ぶりくらい?に銀座のYAMAHAへ行き、リニューアルした店内でチェンバロのCDコーナーを聞くと、ピアノの30分の1くらいの?一番下の目立たないところに20枚ほどありました。

パリのFANACや新宿のTower Recordに比べてかなり少なかったのですが、そこでかつてERATOとDENONの録音した名盤100選というのにスコット・ロスのスカルラッテイやユゲット・ドレイフュスのバッハがあり、早速買ってきました。
ユゲットの写真は今より随分若いなと思ったら、『私が生まれた年の録音!』

ま~!いつも呼び鈴を押して会いに行くと、トコトコと可愛く出てくる若きユゲットとYAMAHAで再会できて、むふふ~と嬉しくなってしまいました。彼女の演奏は他のCDでも感じますが、どちらかというと男性的で構築感がしっかりしています。
録音談義をした時、晩年日本のDENONで録音をする事が多かったそうですが、夜中に録音するのが大好きだということで、ユゲットはハッピーでも、みんな周りのエンジニアは疲労困憊だったようです。可笑しいですね。
彼女は82歳なのにメールをきちんと使いこなしている所が素晴らしいですね。
しかも、パリで出会った誰よりも一番上品な、最上級の丁寧なフランス語で書いてくるので、いつも彼女に書くときは2-3回読み直さないとミスだらけでお恥ずかしいです。
未だにブランデンブルクの5番のカデンツァやスカルラッテイの2オクターブ跳躍するソナタも横に居る私の方を見て弾いたり・・・手が名曲の数々を覚えているんですね。チェンバロ歴は1950年から始めたという事なので、何と62年! あっぱれですね。
私なんか、ひよっこの卵の卵の。。そのまた。。たまごっち?みたいな。(笑)
トコトコおばあちゃんが急に変身!みたいな。
私の中では心も全て見透かす様なブルーの目と聡明さが

『スターウォーズの1000年くらい生きているヨーダ

のイメージで出会った頃はヨーダ、ヨーダと友達に話していましたが、いい加減失礼なので、尊敬の念があるので、ユゲットと呼んでいますが(笑)本人とはPourriez-vous~? Auriez-vous~?という感じで話しています。
もう1枚のCDのスコットは550曲の長大なスカルラッテイのソナタをほぼ全曲録音したんですね。この特選に収められた10曲は550曲から厳選しつくされたソナタなのですが、良く聞くと色々なオリジナルのチェンバロの録音が数種類集まっていることが分かり、大変貴重な1枚だと思います。
本当に素晴らしい曲集です。聞いているうちに何だか元気が出てきて、すっかりスカルラッテイの魅力にはまってしまいました。
当時はほとんどの音楽家が王様や王女様(スカルラッテイの場合)にお仕えして、彼らの為に彼らの趣味に合う様に作曲され、出版する許可も勿論頂いてからでは認められなかった為、楽譜の前に4-5ページの献呈の言葉が原語(17-18世紀のイタリア語、フランス語)で書いてあります。
作曲家が、『この様に弾いて下さい』と指示をしている場合は、装飾音の表や、即興的に弾いて~など細かい指示を与えているので、言語で読んで理解できるというのは、とても大事です。
ということで、イタリア語はできないので、この練習曲集を見ると読めないので
『し~~~~ん・・・・』という感じですが、献呈の言葉のみです。やっぱりイタリア語が話せたらいいな~と思いますね。
1年前にパリから本帰国する時に楽譜屋さんへ行き50冊チェンバロの本をまとめて一生分買い、何と30万ほどもしましたが、チェンバロの楽譜は日本で買うと1冊1万円以上したりすることも多く、ピアノのHenle版やウイーン原典版よりもずっと高い出版社が多いです。
楽譜屋さんへ取りに行くとき、【スーツケースで行くしかない!】とゴロゴロ転がし店員さんも笑ってました。ぎっしり楽譜を詰めて、タクシーで帰宅しましたが、タクシーのおじちゃんも『どっこいしょっ!』勿論パリジャンはそんなことは言いませんが、そんな感じで)トランクに入れて貰い、遥々東京まで引っ越し便で赤道を越えて届きました。
その時に買った1冊がこのEssercizi per Gravicembalo【チェンバロの為の練習曲集】
今気が付きましたが、Clavicembalo でなく Glavicembalo なんですね。
1738年出版された銅版画の初版譜(ファクシミリ)をフィレンツェのStudio Per Edizioni Scelteが再出版しています。
知っている方も多いと思いますが、このイタリア語→チェンバロが日本では定着していますが、フランス語→Clavecin(クラヴサン)、英語→Harpsichord(ハープシコード)
どうして改めて書いたかと言うと・・・以前にコンサートへ来て下さったが、
『チェンバロのコンサートへ行かない?』と誰かにお誘いした時に、
(それはハープシコード?)と聞かれて、
??? 
『なんか、似たような楽器だと思うけど、チェンバロって言うのよ!』
とお二人ともチェンバロ=ハープシコード と一致せずに別の楽器だと思っていらっしゃったようで、コンサートで説明した時に、二人とも謎が解けたそうです。

昨日は、留学の手配や外国人の先生達のマスタークラスを東京で企画しているAnd Vision(アンド・ビジョン)という会社のインタビューを受けさせて頂きましたが、やはりチェンバロを知らないピアノの生徒さんが多く読むのでは?と思い、チェンバロの構造が根本的にピアノと違うこと、私のピアノを約20年勉強後にどの様にチェンバロに出会いチェンバリストになったか・・・などお話させて頂きました。後日、And Visionのホームページの≪対談・音楽家に聞く≫というコーナーに掲載されるようですので、またお知らせさせて頂きます。

すでにインタビューされたパリ、ロンドンのピアニストやドイツのヴァイオリニスト、は同級生や友達が居て、逆に新鮮でしたね。皆さんも知っている方が載っているかもしれませんね。
これから留学を考えている音大生にとっては、参考になルカと思います。
このAnd Visionという会社は5-6年前にできたということで、私が留学した時代はこんなに親切な事細やかにサポートをして貰える会社はありませんでした。。
年間300人くらいの学生がこの会社のサポートと共に海外留学するそうです。

私の話は、相変わらず12年間放浪した~3カ国~の話しが飛びまくって、かなり編集が大変なのでは・・と後で思い、きちんと質問された内容→要点だけお答えするという事を心掛けないと、申し訳ないなと反省しました。

偶然なのですが、インタビュアーの方は何と私と同じ小学校だったということが分かり・・・
小学生の頃は校庭の大きな木によく登っていました。とメールすると、
(あのブランコの横のですよね!私もです)
というお返事。これも何かの縁かと思いますね。不思議です。
綺麗に印刷しているので、そのまま読んで弾けます。現代の編集社によって出版されている楽譜は、ピアノ様に指使いや、作曲家が書いていないスラー、またはFp(強弱記号)まで勝手に足してしまっていることもあり、もともと作曲家が何を書いたのかが分かりにくい為、できるだけ作曲家の時代に出版されたもの(作曲家が確認したであろう)楽譜をもとに演奏します。
またまた、話が脱線!しましたが、私の脳みそはじっとしていられない性分・・・なのでしょうか。
4月末の東京コンサートのプログラム、12月頃にもクリスマスコンサートや今まであまり弾いていなかったスカルラッテイも10曲くらいまとめてコンサートで弾けるようになりたいな~~なんて
思いながら練習しています。
最後の小節線は▲みたいですね。
人間誰でも、毎日の生活でマンネリ化することがあり、年を取ればとるほど、”知っている領域”でヌクヌクと心地よく過ごしたいと思ったりしますが、だからこそ、新鮮な新しい事など少しでも発見があるとウキウキしますね。

スコット・ロスの演奏は、聞いただけでなくそこから活力を頂き、実際に弾いてみたいな~と思わせるような、素晴らしい音楽なので、是非ご興味のある方は聞いて頂きたいです。
私の買った特選盤は聞きやすくてお勧めです。何と定価1040円でアマゾンの中古では600円という破格。
スコットについては、またゆっくり書きたいと思います

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