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claveciniste et pianofortiste

録音2日目/le 2eme jour d’enregistrement


今日は、午後1時にパリを出て、午後2時~昨日の続き、Duportチェロソナタ1番の2楽章から。
2楽章は昨日撮ったのですが、良いテイクが十分になかったようなので、再度撮ることになったのですが、なかなかみんな音楽に上手く入っていけない感じ。
試行錯誤している時に、エンジニアが昨日の録音を聞いてみる?と
みんなで聞くと、昨日の方がテンポが少し早く、音楽が流れているね。
Von Nagel 2011のチェンバロ。モダンな装飾ですが中々良い感じです。タッチ、レギュレーション、音色もとても良いです。Thomas君が親切にも貸してくれてとても助かりました。
そうだ。なんか音楽が停滞している・・・ということに気が付きまた撮り直し。
3楽章はヴァリエーションで違う音色やキャラクターを見せる為何回もまた撮りました。
そしてソナタ2番を開始したのは3時間後くらいでしょうか・・・
時計を見ていなかったので驚いたのは、ふと気が付いたらもう夜7時半!!
なぬ~~!!!
調律中のThomas君と練習するRaphael.
天井が15mくらい高い15世紀?などの昔の修道院の1つのTemple。音響はとても良いです。

今回は、アムステルダム時代の旧友のトマ君に調律をお願いしたので、随分と助かってます。調律の間休めるのはとても贅沢に感じます。
チェンバリストは弾いてない時は、いつも調律しているので結局休みはないので。
一番奥の箱みたいな?のは何とここの管理人のおじさんの手作りの録音エンジニア用のお部屋。可愛いですね。良く見ると木が張り付けてあり表面には音を吸収する柔らかい素材まで張ってあります。
その箱の中に入ると・・・音が遮断され、作業をしながら音を聞け、中から音楽家に向かってスピーカーでコンタクトを取れます。
ということで、今日は2時ー9時までびっちりやって5楽章分のみ。どうにか1,2番終了。
明日は朝9時~夜22時まで!!3,4番が終わって5番を取り始めレたら最高と帰り道に話してました。
Raphael&Pascaleと。夫婦でチェリストなのですが、CD録音などは今回が本当に初めてだそうです。それにしても子供3人を育てながらツアーやレッスンなどこなしてパワフルな2人には頭が下がります。
さすがに5時間以上も通奏低音を弾いて毎回テイクの度に違う即興演奏を考えていると、ある時点を超えると疲れで頭が回らなくなってきます・・・凡人なのでしょうがないですね。


今日は朝ご飯を炊いて、梅干し(力が持続するらしいです!)と昆布の入ったお弁当をお箸で食べていたら、Pascaleが覗き込んで笑ってました。謎の物!?に見えるんでしょうね。(苦笑)
でも、長時間の修羅場にはやっぱりご飯です!!
ということで、お風呂に入って寝ます。明日はもっと長い日なので・・・

チェロソナタの録音中/L’ennregistrement

皆さまこんにちは。
日本の猛暑も9月に入り落ち着いてきたでしょうか。

パリは、すっかり秋模様になり、紅葉&落葉の真っ盛りです。
かと思えば、昨日は真夏の様な30度を超す“夏”の日よりでバカンス帰りの日焼けしたパリジャンも【これを逃すものか!】とばかりに、サマードレスや公園では水着で日焼けする人たちの姿も。
さて、この1カ月ブログを更新し忘れ?ていましたが、実は、生まれて初めて【じんましん】になってしまい、皮膚科へ3つも行き大変でした。
ようやく治まってきましたが、始めは何が何だか分からず、4~5日間連続して夕方~夜になると体が痒くて寝れないほどでした。

結局、ボストン留学時代~15年来の親友で皮膚科のお医者さんでありながらピアニストの親友Mちゃんとお母様(皮膚科の先生)と国際電話で症状を話して診断してもらったら、単に疲れやストレスからくる【じんましん)では?ということになり、なんだ~~と気がゆるみました。
というのも、イタリアでは伝染病を持つ蚊より小さな【パパタッチョ】という虫が居て、それに刺されたら至急病院へ行かないと大変なことになる・・・とか友人に言われ、実際イタリアで15か所+1か所謎の大きな虫?に刺された後が頭の中にあり、見たくても見えないけど1カ月たってやっと治まってきたくらい腫れていたりしたので。
または、古いホテルのベッドでノミより小さな【寄生虫】で、肌の下まで入りこんで体中をめぐるのが入ったとか?と友達に言われ・・・想像しただけで真っ青!!というか真っ白になりましたね。本当に。
と大騒ぎになり、8月のバカンスでお休みの病院が多い中、救急へ行って4時間待って3分の診断で、これは伝染病でも寄生虫でもないと言われて、ただ薬を出されたり・・・
ぐったり疲れましたね。

ということで、あっという間に数週間が過ぎてブログもそのまま・・という言い訳ですが
考えてみると本帰国した2月始めからもう7カ月が経ち、実際に本帰国だったはずが3カ月くらいの【プチ帰国】になっていて、結局また約半年コンサートと録音でパリに来ることになり、バタバタと戻ってきた・・・ことなど考えると、この半年【家】が安定していなくジプシーの様にまさに移動しているので、そんな見えないストレスもあるのかな?と気が付き、ゆっくり休むきっかけにもなりました。
録音場所のPort-Royale des Champs:パリから車で50分ほどのヴェルサイユ宮殿の近く。以前にもコンサートをしている自然豊かな遺跡のある場所です。何と、ルイ15世が宗教の派閥が違うことから修道院を壊してしまったそうです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今日からパリの郊外の15世紀の修道院跡にあるドーム型の建物(フランス語でテンプル・お寺と呼びますが日本のお寺とは全然違います)で兄弟でチェリストだった兄Jean Pierre Duport(1741-1818)とJean-Louis Duport(1749-1819)がいるのですが、そのお兄さんのJean Pierreの作曲したチェロソナタ6曲はまだ誰も全曲録音をしていないことから、面白い企画なのでは?ということで3年ほど前からパリで一緒に演奏しているRaphael PIDOUXと奥さんのPascal JAUPARTと録音することになりました。
ということで全曲は世界初!なのですが、チェンバロの友人に話したら
【それは・・よっぽどせこい曲なのでは?】←無名のバロックの曲はそういうことも可能性ありなので(汗。。。)
なんて言われて【そうかもね?】なんて。言ってましたが、演奏家によりますね。
せこく聞こえないように頑張らなければ・・なんて。
興味深いのは、このDuport兄弟はベートーベンにも会い、お兄さんはポツダムのFrederic Guillaume IIというチェロも演奏する王様の室内楽の先生として仕え、作曲もしていました。
その頃、ベートーベンもこのチェロ好きな王様に有名な【チェロソナタ2番】を献呈していて、Duport兄弟もベートーベンに自分たちの作曲を披露し、親交があったようです。

弟のJean-Louisはナポレオンのチェリストとして演奏し、彼の使用していた名器ストラデイヴァりウスはその後FrancommeというChopin時代の優れたチェリストに引き継がれ、何とあのロストロポーヴィッチが受け継いだ楽器だったんですね。
ちょっと背筋がぞぞ~っとしましたが、ロストロさんはナポレオンも見聞きしたチェロを毎日弾いていたんですね。正に楽器も人を選ぶでしょうし、ふさわしい人の手にしか渡らないでしょうね。
今日は初日でマイクのテストのみのはずが?途中から、やっぱりせっかくだから録音し始めようか?
ということで、1番から録音し始めました。
録音技師の女性は私と同じくらいかもっと若いのですが、【ああでもない、こうでもない】と弾いている私たちに的確に【何小節の何拍目のバスをもっと方向を持って、とか呼吸をもっとしても良いのでは?】とアドヴァイスをくれます。
彼女はいわゆる録音技師&音楽デイレクタ―の両方を1人でしてくれるので、こちらも楽です。
でも、フランス語の【シュワシュワ~~ほにょにょにょ~~】というとてもDiscret(控えめな)早口でスピーカーから言われるので、何小節のどこ?!と思わず私は顔をしかめておりますが、他の2人が鉛筆で楽譜にマークしている所を見て、あ、そこね。とそれで何?と思いっきりド素人の様に聞いてますね。
でないと、せっかく直して次のテイクを取るのに1人で全然違うことやってそうなので・・・
ということで、6曲を日曜日~木曜日までに分けて録音していきます。
ソロのラファエルもとてもりラックスしていて録音慣れしているので、お昼はピクニック!と言って朝近所のマルシェで買ってきたというフルーツ、ハム、モッツァレラハム&パンなど広げてみんなで、【C’est bon!美味しい】と言いながら食べて、その間にチェンバロを調律したり・・
ぶっ飛んだのは、この録音の後はすぐにベルリンに飛んでベートーベンのトリオのコンサート&また4,5日の録音があるそうで、本当にタフだな~と思います。
録音技師さん&ラファエルのペースについていけば、きちんと数日後には6曲終わってそうな感じなので、その時に集中して演奏するだけですね。
今まで、オーケストラやアンサンブルのラジオ生放送、ライブ録音はありましたが、ぶっつけ本番!みたいな感じで、今回CDの録音となると本当に1音1音、1小節でも良くない所があると納得いくまで、何回もテイクをしていくうちに、みんなの音も混ざり集中密度が高まるので良い感じです。
しかし通奏低音は常に即興をしているわけですが、自分のイマジネーションの乏しさに限界を感じたりするので、その時浮かんだインスピレーションを大事にしたいものですが、本当に私は凡人だな~~とつくずく感じますね。

MOzartみたいに勝手にメロデイーがいつでも、どこでも流れてくるというのは、羨ましい限りです。本当に。
ということで、まだまだですが、やれることを精一杯やりたいと思います。

ヴィヴァルディ・コンサート終了!/Le concert de Vivaldi

お知らせをうっかり載せ忘れましたが、フランスに来たのはコンサートの為です!
遊びに来たわけではありませんので(苦笑)

ということで、先週末コニャックから戻った翌日に1日5つのVivaldiのコンチェルトのリハーサルをパリ郊外のPort Royaleという15世紀の修道院跡で行いました。コンサート会場になったこの大きな建物はもともと納屋ですが、大人数を収納できるコンサート場所として使われています。

コンサートは翌日の日曜日午後で、とてもお天気が良く気持ちの良い日でした。
この日は特別に馬車でお散歩企画も!
リハーサル中
今回のチェンバロはオーガナイザーの友達の友達が貸してくれたということでありがたかったのですが、鍵盤が上がってこなかったり、ファを弾いても隣のミも鳴ってしまったり!ちょっと弾きにくかったですが、今回は通奏低音(伴奏)のみでしたので大丈夫でした。

本を読む少年。まるで絵みたいですね。
コンサート本番
まだ時差や体調がフランスに慣れている途中で、朝からモノモライ!コンタクトは諦めて眼鏡で。
終わった後はお庭で乾杯!

トロトロに溶けたBrieとコショウ付きBrie
あの並んでいる箱は・・・蜂蜜を作っている箱ということで、中には数千匹の蜂がいます。大自然の中で季節によって近くにあるテイヨールなどお花が違うので味や蜂蜜の色も異なるそうです。
世話をしているAlainおじさんが見せてくれました
髪の毛に蜂が来たら、遠慮なく叩いて殺さなきゃだめだよ。と教えてくれる。こわ~~
見えますか?蜂蜜作っているの。
こんな感じでぎっしり!

帰りにアランさんがこっそりと蜂蜜を1つくれました。ま~美味しいこと!
何だか、どうやって作られているのか見ると100倍嬉しく頂けますね。
農民っぽい性分でしょうか。
残っている15世紀の修道院。ここの修道院はルイ14世に対して同意しなかったということから、ルイ14世があった修道院を破壊して市あったそうです。
9月にはここで録音する予定ですが、音響は本当に素晴らしく隣の納屋みたいな所に3日間寝泊まりして美味しいお野菜と空気の中で音楽に没頭できるというのは最高ですね。

パリコンサート・ラジオ放送/France Musique Radio

皆様こんにちは。
日本はすっかりお正月モードでしょうか。御節を食べ、TVの特番を見て、親戚と会い・・・なんていうので、あっという間に3,4日過ぎてしまいますね。
そして、日頃は会えない多くの人にも会える特別な時期ですね。
パリは、すっかり“休み明けモード”ですが、”お正月をパリで!”という観光客は多い様で、零下の朝からルーブルの前は行列が続いているそうです。
さて、2010年12月13日にパリ・Theatre de Buffes du Nordでのコンサートがライブ録音され、2011年1月6日、7日と2日に分けてランチタイムに放送されることになりました。
まだ私も聞いていないので、一体どんな感じ?になっているのか分かりませんが・・・
便利なのは、聞けなかったり、聞き逃しても1ヶ月間はオンラインでいつでも聞けるようになっています。
France Musiqueの1月6日のサイトはこちらから。
①画面が出たら、右上のヘッドフォンのマークに(re)ecoute(もう1度聞く)をクリック
②自動的に音楽がダウンロードされます。100%までダウンロードすると自由にアイコンを動かして好きな部分を聞けます。5番はちょうど34分くらいからになります。
12:00-14:30 1月6日:バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番、第4番、第5番 
12:00-14:30 1月7日:バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番、第6番

ブランデンブルグ協奏曲は全6曲あり、1曲ずつソロの楽器の組み合わせが違うのがとてもユニークで6曲聞くと完結という感じですが、1曲ずつも特色があり面白いです。
余談ですが、バッハは英語・フランス語で“バック”、ブランデンブルグ協奏曲をフランス語で“ブロンブルジョワ Branbregeois”と言います。始め名前を聞いてもチンプンカンプンでした。
1月7日に放送される5番はチェンバロ、ヴァイオリン、フルートの3つの楽器がソロとして掛け合いなど絶妙で名曲として知られています。
1楽章の5分にも及ぶチェンバロのソロが有名で、チェンバロソロの協奏曲並みの難しさです。ほとんどのチェンバロ曲は初見で弾けますが、唯一今までに何回練習しても弾けない!というのがこの曲でした。真っ青~!初めて弾いた時は何と怖かったことか~~~という感じでしたね。
そして指が回っても、当たり前ですが、その後“どう弾くか”、分析するか、何を伝えたいか、5分間のバッハの音楽を掘り下げていくわけです。
この2年間にありがたいことに10回くらい弾かせて頂く機会を頂き、毎回、勿論緊張の連続な分けですが、今回は何だか始めから楽しめて弾けました。
というか、12月のブログを見て頂けたら分かりますが、何と舞台に1人で出遅れてしまい!
”やってしまった~~”と苦笑しながらの登場・・・
だった為、お陰で緊張は吹っ飛びました。
さて、それがどう音になっているかは聞いていないので何とも分かりませんが。
毎回このカデンツァは弾いてる最中に普段より“間”を取ってみたり、逆に早くパッセージを弾いてみたり、歌い回しが結構不思議に変わるので、毎回自分の中でも発見があります。
そして、勿論、あれ?っというハプニングもあったりするのですが。今回もありましたね(笑)
早いパッセージでだ~っと弾いている時になぜか? 指が一瞬鍵盤につかえて?しまい、
リズムがちょっと不思議!?でしたが、まあ、そのまま行きましたが。
一体どうな風に聞こえるのでしょうか・・怖いような。でも知りたいような。
知らぬが仏で聞いて物凄いショックに陥る可能性もあり!?
本番の最中の一瞬というのは凄く長く感じたり、スローモーションで妙に覚えて居たりするのですが、常に時間は過ぎていくのでいちいち1秒前のことに固執すると、もっとボロボロになることがあります。
そして後で録音を聞くと、“あの”スローモーションやバラバラに崩れた瞬間→
物凄いショック→
1人でとってもブルーになった
後に恐る恐る録音を聞いてみても、実は2,3秒の間のことで、一瞬何が起きたの?状態になっていたとしても引きずらないでそのまま行けた方が結果的には演奏レベルが保たれたりします。
一番笑ったのは、ミスして落ち込んでいた部分が実はオーケストラの音で隠れて結局ほとんど何も聞こえなかった時!
今までに数え切れないほどのミスは勿論人間なのでしてきましたが、
例えミスをしたとしても、頭の中も含めて停止しない。
常に先さき・・・1秒後が今になるわけなのでとにかく動揺せずに続けることでしょうか。
いつもの様に話が飛びましたが、果たして、フランス以外でもこのラジオがダウンロード、聞けるのか分かりませんが、インターネットなので多分聞けるんでしょうね。
ということは、フランスの生放送をそのまま日本で聞けるのでしょうか?!
すごい世界になりましたね。
今年も“音楽盛り沢山”で有意義な年にしたいと思っています。
2011年が皆様にとって素晴らしい年のスタートになりますように!

パリ・ブランデンブルクコンサート終了・Paris Bach concert a bien fini!

昨日は、長い長い1日でしたがあっという間に過ぎました。
朝11時にチェンバロとともに家を出て劇場に到着し、1時間ほど1人で練習、様子を見ながら疲れすぎない程度に指ならし。

お弁当を食べて昼寝中に調律師さん到着。てきぱきと調律をして下さり、その間私は30分の昼寝をして頭がすっきり!とし起きたらメンバーのみんなが到着し始め、リハーサル開始。
3時のリハーサルから7時のラジオ録音兼リハーサル終了までの4時間はあっという間で、1日中劇場内に居たので外が天気が良いのかもあまりよく分からないまま時間が飛んでいきます。

正直、今回はマネージャーもあまり宣伝をしていない?感じだったので、
お客さんは数えるくらいの人では?
音楽家が20人くらい居てこっちの方が多いこともあるのでは?

まあ、録音にコンサートが付いた感じで考えれば良いか?なんて思っていました。
が!
会場すると、人がぞろぞろ・・・
満員!
どこからこんなに人が来たんだろうという位大盛況でした。

1曲目後の拍手の雰囲気から観客の暖かい感じが伝わってきたので、みんなも楽しんで良い緊張感と集中の中で弾けたようです。
5月パリ郊外、7月南仏、11月スイス2公演を終えた最後の5回目のコンサートだった為、やはり今までの経験が凝縮して色々な意味でとても良いコンサートだったと思います。
勿論、細かいことミスやテンポ感など色々ありましたが、全体のエネルギー、音楽をするスピリットとしてみんな楽しみながら素晴らしい劇場の雰囲気とお客さんのエネルギーの中でとても良い感じでした。

今回は、チェンバロの調律が狂うのを避けるために、チェンバロコンチェルト並みの大きなソロがある5番を休憩中に調律してすぐに弾けるように後半の始めにプログラムの順序を変えました。
今まで前半の3曲目に通奏低音の伴奏を弾いてすぐに頭を切り替えてから、ソロを弾かないといけなかったのですが、逆に15分くらいあって、切り替えるのに勿論時間があって助かったのですが、長くて時間が余って居る様な感覚でした。

舞台横の袖で楽譜を見ていたのですが、ラジオ局の方たちが居たりして集中できない為、地下の控室の静かな空間で楽譜を見ていました。
フルートのソロの子も隣に居たり問題なかったのですが、その後トイレに行って出てきたら何となく静か・・・
そして、控室を見ると2部の1曲目を”弾かない”人たちばかり暇そうにいる、
いやな予感・・・

ということで、すぐに舞台へ上がる階段を登って行ったら、拍手の音が鳴りやむところ。
まさか!?
ラジオの人に5番?と聞いたら。そうそう。
え?!私も行かなきゃ。
ということで、焦って舞台に出ようとしたらチェロのラファエルが舞台袖に居たのでほっと一息。
そして、”まだOK”という仕草をしてくれたので、一呼吸してから一緒に舞台へ。

結局、後で聞いたらみんな出て行ったけれどソリストのチェンバロが居ない?
え?

ということで20秒くらい舞台で待ったらしいのですが、すぐにラファエルが自然に探しに戻り、ヴァイオリニストがフルートの紹介?などしてアドリブでお話をしていて、
“そうこうしている間にチェンバリストが来ました”
みたいに上手くつなげてくれた様で助かりましたが、みんなも笑ってましたね。

私も思わず”またやってしまった~~!?!ドジ!!”と自分に苦笑してしまい、かなりリラックスしたモードで弾き始めることができ、結果的にとても自然に集中してカデンツァまでテンションを持って行けたので良かったです。
それにしても、もし30秒、1分遅かったら・・・と思うとぞっとしますが、虫の知らせか何となく上へ登って行ったので良かったのですが、裏方さんは”チェンバロ~~~~!!チェンバロ~~!”と叫んでたそうです。(下には全然聞こえなかったのですが)

ということで、ラジオが同時に録音されていたので勿論緊張はしましたが、リハーサルの時よりも本番ならではの緊張感やお客さんからのエネルギーなども手伝って細かいミスなどはありましたが、音楽的に表現したいことは全部表現できたという感じです。まだ、録音を聞いていないので何とも言えないですが、良い記念になったと思います。今の等身大の自分でしょうか。
ブランデンブルグ全6曲のコンサートが終わったのは夜の11時半、その後にメンバーのみんなで劇場のバーでワインで乾杯し、何か食べようか?ということで24時間Openのレストランへ行き家に着いたのは夜中の3時!

こんな夜更かしは久しぶりですが、それでもみんなは翌日朝9時半からレッスンや生徒の発表会・・・と大忙し。それでも打ち上げはする!というのがすごいパワーですね。
今日はさすがに眠いですが、手作りギョーザと韓国風チジミをお好み焼き風にして元気もりもり食べました。これで寝れば回復ばっちりでは?
明日は、クリストフルセのアンサンブル、レ・タロンリリックのリハーサルを聞きにCite de la musiqueへ行ってきます。素晴らしいバロックアンサンブルと歌手たちの演奏が楽しみです。

南仏コンサート終了!/Le concert de Bach a bien fini!

皆様こんにちは。
先週末、2泊3日で南仏のトゥーロン(マルセイユの隣町)から車で内陸へ20分ほどのボエセー市へ去年の夏に引き続き行ってきました。

去年はトリオの室内楽コンサートもあり4日ほど滞在しましたが、今回はコンサート前日午後に到着、他のコンサートを聞きコンサート当日の朝、午後とブランデンブルグ協奏曲全曲(1-6)のリハーサルとコンサート全てを1日で行いました。

というのも、全曲演奏するために必要な音楽家は20名近くになり、みんなパリやブルターニュの人はブルターニューパリ:5時間、パリートゥーロン4時間半、と11時間近く旅行をしてやっと到着した人達も居ただけに、この1日しか全員空いている日はないのです。
弦楽器のメンバー達。日本風にピース!みんな日本へもコンサートで何度か行っているので日本を良く知っています。
5月に既に一緒に演奏したメンバーがほとんどですが、弦楽器のグループなので、ファゴット、オーボエ、トラヴェルソ、リコーダー、ナチュラルホルンの方達はみんなわざわざこの1曲や2曲の為に来て頂き、皆さん現在パリの多くのバロックオーケストラなどで活躍される方達ばかり。
または、皆さんコンセルバトワールの先生達で、私はその中に“お弁当の沢庵”みたいに居ましたが。(笑)
コンサートのあった教会。
それにしてもパリからTGVで3,4時間南下するだけで何と空が違うことでしょう!
青空が広がり、海が見え始めると、電車の中のフランス人も”ようやく南に来たか~~!”と太陽と海を嬉しそうに眺めています。
今回は残念ながらコンサート翌日にパリへ戻ってきましたが、本当はアヴィニオンやそこからバスで小高い丘にあるゴルドという町に行ってみようかな?なんてバカンスプランを考えていましたが、車でないと不便な場所が多い為、今回はあきらめました。8月にまたニースからイタリア寄りの街へ行くので、その時にゆっくり過ごしたいと思います。
コンサート前1時間。チェンバロを移動、調律し始めます。
2年前に初めてチェンバロのソロのカデンツァが5分もあるブランデンブルグ協奏曲の5番を演奏しましたが、始めは気が気でないほど緊張して大変でした。また、チェンバロパートはもの凄い早いパッセージがあるのに一緒に弾くヴァイオリンとフルートはもっと気楽な分けです。
その為、どうしてもヴァイオリンの人のテンポが速くなって、もうこっちは必至!指が追い付かない!!と毎回冷や冷やして弾いていましたが、今回は5回目だったので、ヴァイオリンのジャン・マルクもOk。OK.と普段よりちょっと遅め?のテンポで始めてくれ、私も自分のペースで呼吸をしながら演奏できてやっと自分の演奏したいイメージで弾けたという感じです。
勿論、まだまだですがやはり場数を踏むのが何よりものトレーニングですね。また11月、12月、1月にあるので鍛えられると思いますが(笑)

コンサートは夜9時15分から始め、休憩をはさんで終わったのは何と12時過ぎ!それからデイナー!
私はさすがにそれまで待てないのでコンサート前に食べましたが、ほとんどのメンバーは深夜過ぎ~1時半までお肉のタルタル、サラダ、ポテトのカロリーたっぷり料理をワインと盛りもり食べてました。
それぞれメンバーはコンサート終了後にすぐドライブで移動、翌日はアルプスの方でコンサート、などなど・・・方々へまた散らばって行きました。
コンサート後、和気あいあいと乾杯!
去年のコンサートの時に、このボエセー市に住む日本人の尾形さんという方とお友達のイギリス人の方にお会いしました。とても気さくな方で、また来年もお会いできたらいいですねと言ってお別れしたのですが、今年は何と私の滞在先のホストファミリーになって下さいました!

嬉しい驚きで再会をしましたが、奥様の恵美利さんは現在3番目の赤ちゃんを妊娠中。7か月で大変な中滞在させて頂き、2人の可愛いお譲さんと素敵な旦那様と一緒に和気あいあいとした楽しい時間を過ごさせて頂きました。
聞けば恵美利さんは幼少の頃はオーストラリア育ち、その後アメリカに留学、ブルターニュにも住み、今は南仏のボエセー市に住んでいらっしゃるそうです。旦那様もフランス語、英語が堪能で何よりも6歳のにきちゃん、4歳のえまちゃんは完ぺきな日仏バイリンガル!!

素晴らしい~~。発音がばっちりネイティブでしたね~。さすが現地校に通うだけあって子供の耳から入る語学力というのは凄いですね。私もあんな発音で話してみたいです。(笑)
帰りには可愛いお二人が描いてくれたという絵を頂きました!
1枚目の絵は”けいさんピアノ上手になったらまた来てね!”と書いてあったそうで、お母さんが、これボツ!と言って描き直して頂いたそうで。
子供は正直でいいですね。

ブルターニュ5日目コンチェルト/La 5ème jour en Bretagne

最終日のコンサート会場の別の教会でリハーサル中。
フレンチバロックのプログラムが終わり、やれやれ・・・とデイナーを食べると、翌日の2台の為のコンチェルトのリハーサルをするということになりました。
ソリストのチェンバロ、ベンジャマン・アラール君とはパリで2回リハーサルをしたきりで、何しろチェンバロとフォルテピアノが隣町同士にあり、同じ場所にない為コンサート前夜まで練習できる機会がなかったのです。

それにしても1つコンサートが終わって疲れがどっと出ている時に、また気を取り直してというのなかなか体力がいりますが、当日は場所のセッテイングなど考えていられない分けですからやはりやろう!ということに。
プログラムはバッハのチェンバロ協奏曲(ベンジャマン)、モーツァルトのピアノ協奏曲(私)、C.P.E バッハの2台の為のコンチェルト(ベンジャマン&私)
ということで、各楽器ソロの協奏曲がある為、コンサート中に移動すると調律が狂う為どこに置くのかというのが重要なポイントになり、何回も場所を変えて音を出してみます。
コンサートが6時半ー8時くらいまでかかり、デイナーが9時過ぎまで、9時半ー11時半まで結局楽器の位置やテンポのチェックなどをしてやっと家に戻り休みました。

翌日、コンサート当日。
午前中リハーサル、通しのゲネプロ。
ランチを食べて4時間後にはコンサート。
結局練習しに行くと隣町でいつも送り迎えを誰かにお願いしないといけない為、もう家に戻って休む時間がない!ということで、しょうがないので同じ教会で他のコンサートが行われている間に裏の部屋で座る場所もない為、フォルテピアノのカバーを敷いてリハーサルの録音を聞きながら詳細をチェック。

するとコントラバスのユアンが入ってきて大笑い。思わず写真を取られました。
日本の綺麗なコンサートホールなどとは偉い違いですね。トイレもないです!教会は13‐17世紀に建てられた古い物が多い為、昔はトイレの施設がないと未だにない場所も多いので、近くのカフェに行かないといけません。
すると何と思わぬハプニングが!
私は2曲目から弾くのでコンサートが始まる直前にまだ時間があると思いトイレに行って戻ってくると、裏口の楽屋のドアが開かない!鍵を誰かが中から閉めてしまい・・・
かなり焦りました。なんたって、まだドレスのスカート履き換えていないし、楽譜も中だし・・・
え======!!!!
取り合えず入口の係の人に行っても、田舎のおばちゃんだから、え?どういうこと?あなた今弾くの?あ、次の曲?なら大丈夫よ。
なんて暢気なもの。
し~~ん・・・・
さすがにおっちょこちょいの私でも閉めだされたのは初めて。しかも本番直前!!
見るとみんなはもう1曲目のバッハを弾いている。
しょうがないとあきらめ裏口で待つことに。
終わり次第、窓ガラスを叩き明けて貰いましたが、そりゃ~~~大急ぎ。更衣室もない!のでスカートの上からスカートを履いて着替えたりして、誰も気にしないしそんな時間もない。

みんなはもうステージで調律をしにいくから、けいは2分くらい時間とっても大丈夫だよ。なんてバイオリンの子に言われ・・・遅れてステージへ。
あ~~すでに心臓どきどき。
ただでさえ、フォルテピアノで協奏曲を弾くのに緊張していたのに、もうはらはらしている。
いかん!
落ち着くように心がけましたが、そりゃ~~。コンデイション的には悪い。でも、そんなこと言いわけにならん!
結局1楽章分かかってやっと普通の状態に戻った感じでしたが、反省でしたね。
自分の中ではもっと深く練るべきだったかと多く反省しいましたが、お客さんはみんな喜んで下さったようです。

やっとMozartが終わり、2台コンチェルトへ。
これもタイミングがとても微妙で大変。チェンバロとフォルテピアノが掛け合いで数え間違えると本当に誰も弾かない空白ができてしまう。
10人くらいで弾いて、結局みんなあちこちミスはあったものの、無事に終了。なかなかフォルテピアノとチェンバロを同時に聞く曲というのはないので、お客さんも興味津々だったらしい。

結果、チェンバロとフォルテピアノの音はなかなか合う、面白いから他にも曲はあるの?などとコンサート後にコメントを頂きましたが、ベンジャマン君も飛びまわっている多忙なチェンバリストなのでリハーサルは3回しかなく、お互いにぎりぎりの状態で本番を弾いたという感じで、まあお互いに胸を撫で下ろし・・・という感じでした。
コンサート後は近くのお庭でレセプション。

フルートのセリーヌの子供、ピエール(1歳半)が3歳半のセシールと遊んでいましたが、見ていたらなんとピエールがセシールにキスをしようとしています!
あまりに可愛くてみんな写真を撮っていましたが、フランスでは会った時の挨拶、さようならの挨拶でも2回ほっぺにキスをするので日本の握手と同じ感覚だと思いますが、赤ちゃんの時から見ていて自然なんですね。
それにしても1歳半でキスデビューとはさすがにフランス人!とみんな大笑いしていました。
右からフルートのマチルド、ヴァイオリンのパスカル、チェロの恵子ちゃん、私
全員でポーズ!
その後、食堂に戻りみんなで乾杯!毎日、B&Bで朝食をお世話になったボネット夫人の旦那さん、ジャン・クロードの美味しいお料理でみんな最高の食事でした。
ピーチ、アイスクリーム、クリームにお手製フランボワーズソースのデザート。
デイナーが終わったのは深夜12時!さすがフランスですね。遅い。その後、海沿いの素敵なカフェ&バーへ移動することに。
夜中の2時に何と日本のゲームをフランス人のみんなが夢中になってます。
いっせ~~の!2! いっせーの5! と指を同時に挙げて数を当てる、小学生がやっている遊びをなぜかみんな夢中になり・・・
チェロの恵子ちゃんと私も大笑い。
夜中の2,3時にぱらぱらと帰り始め解散。翌日は、みんなパリ、南仏、ブルターニュ、それぞれの場所へと移動していきました。

ブルターニュ3、4日目/La 3&4ème jour en Bretagne


フォルテピアノをさらうと同時に、翌日に控えたチェンバロのコンサートのリハーサルも行い、いよいよコンサート当日になりました。コンサート前に結婚式があるので白いリボンと新郎新婦の椅子が用意されています。

朝はチェンバロを練習しにコンサート会場のある隣町の教会へ。
ランチを食べて、最終日のMozartを練習しにフォルテピアノのあるシルビー宅へ。
6時からのコンサートなのですぐに家に戻り、着替えて教会へ。
ゲネプロをするともう外にはお客さんが待っている・・・

という感じであっという間に時間が過ぎていきました。
教会では、コンサート1時間前に結婚式があった為、大急ぎで調律、リハーサルをして開場はコンサート開始15分前!というぎりぎりのスケジュール。

お庭では記念撮影をする人達がいました。

幸い、チェンバロ&フォルテピアノ製作者のポールが居たので全て調律をしてくれたので、とても助かりました。
ゲネプロ中。
このフレンチプログラムはパリの自宅で3月末から少しずつリハーサルをし、6月にすでにパリで1回コンサートをしているので慣れているとはいえ、やはりみんな緊張の様子。
コンサート中。
結果、今までのリハーサルの間に色々とみんなで練り、話し合ったことが表現できていた様で、良かったです。お客さん(わざわざ隣町などから来て下さった方がた)やオーガナイザーも喜んでいました。


無事に終わり、帰り道にはこんな綺麗な景色が広がっていました。

ブルターニュ 夏のフェスティバル/Le petit Festival

8月7日ー11日までブルターニュのモン・サンミッシェルよりも先の街でブルターニュ出身の音楽家によるフェスティバルがあります。
Le Petit Festival は海沿いの素敵な場所で、写真などオフィシャルWebsiteはこちらよりどうぞ。
www.lepetitfestival.fr
コンチェルトを弾くアンサンブルMa non troppoのメンバー
今回は、チェンバロとフォルテピアノの両方で2日間違うプログラムを演奏します。
8月10日:フレンチバロック Concert Royaux~幸福な時~
sam. 10 juillet, 18h30 CONCERTS ROYAUX Les Heureux Momens
クープラン、ギ―マン、ラモー
Francois Couperin:Concert Royaux: 4 eme concert
Guiiman:Sonata III
Rameau:Pieces de clavecin en Concert 5eme concert
Cembalo:Kei Ueyama
Traversol:Mathilde Horcholle
Violon:Louis Creac’h
Viole de gambe:Isabelle Dumont
トラヴェルソのマチルドとコントラバスのユアン
8月11日:コンチェルトの夕べ
dim. 11 juillet, 18h CONCERTOS POUR CLAVIER
C.P.E.バッハ:フォルテピアノとチェンバロの為のコンチェルト Es-dur
Mozart:ピアノ協奏曲 C-dur KV.415
C.P.E Bach:Concerto pour le pianoforte et le clavecin Wq.47
Mozart:Concerto pour le piano Do-Majeur KV.415
Fortepiano:Kei Ueyama
Cembalo:Benjamain Alard
Ensemble Ma non troppo
チェンバロのベンジャマン

パリ 室内楽コンサート/Le concert a Paris

7月にブルターニュ地方でブルターニュ地方出身の音楽家によって企画された小さな音楽祭があります。
モン・サンミッシェルよりも先の岬の方でパリから車でも7時間くらいかかる様ですが、今夜はその抜粋のコンサートをパリの教会でします。
日時:6月11日夜8時半
場所:106 rue de Grenelle (Paris 7) au temple de Pentemont
メトロ:12番 Solferino, 13番 Varennes、8番 Invalides
曲目:Francois Couperin:Concert Royaux: 4 eme concert
Guiiman:Sonata III
その他フォルテピアノによるMozart:4手など
今夜は7月にブルターニュで行われるコンサートの一部の曲目ですが、日も長いですのでもしパリにいらっしゃるお時間のある方はどうぞお越し下さい。
7月のフェステイバルのWebsiteはこちらよりどうぞ。

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