• Go to Japanese Page
claveciniste et pianofortiste

トリップ・アドヴァイザー掲載/Trip Avdiser

今回のイタリア旅行中に思いがけず、旅行に関するホテルや口コミ、旅行に関するブログなどを紹介するトリップ・アドヴァイザーの方からご連絡を頂きました。
以前に旅行したスイス・ローザンヌの記事を掲載したいということでしたので、喜んでどうぞとお返事しました。
そんな分けで、自分の為の記録も兼ねて旅行後に更新をしてきましたが、これから旅行をする方達にも見て頂く機会が増えるようですので、少しでも情報を提供してお役に立てれるならいいなと思います。

ということで、今までは行ったお店やレストランなど住所など載せていませんでしたが、分かる範囲で掲載していこうと思います。でもずぼらな性格なのでいつまで続か分かりませんが・・・
スイスの記事が載っているトリップ・アドヴァイザーのページはこちらから見れます。
ローザンヌ・ページはこちら。それでは、今後ともどうぞ宜しくお願いします。

コニャックのカミュさん/Monsieur Camus a Cognac

皆さまこんにちは。
日本もいよいよ30度を超す蒸し暑い日が始まったようですが、パリも昨日は30度を越し地面からの照り返しがすごく、今日も予報では36度です!
フランスのMidi(中央)などではこの夏40度も予想されているようで、雨が降らない干ばつが続きワインを育てるぶどうにとっては厳しい気候のようです。
見わたす限り白ブドウのコニャック
なぜぶどうを気にするか?というと、
先週世界で有数なコニャックのブランドCAMUSの会長さんJean-Paul Camusさんへ会いに行ってきました。パリから電車で2時間少し、そこから車で40分ほどでCognac(コニャック村)に着きます。
今ここにいるんだよ。と説明してくれるCamusさん。今は息子さんが社長として会社を引き継いでいらっしゃります。
人口は6000人くらいの村で、La Rochelleという地中海に面した港から内陸に110キロくらいの所です。3年ほど前にオーケストラのツアーでLa Rochelleでコンサートをしたので何となく地理的に分かりましたが、フランスは広いので各地方によって特色、お料理、産物も違い楽しいですね。
ゴッホの絵の中のようですね。
田園を抜けると出てきたのは、おとぎの国のようなお城!
ゲストルームもある素敵なシャトー
まずは、乾杯!とコニャックと炭酸水を割ったアぺりテイフ

左からアジア支社総支配人の香港在住のアンさん、カミュ会長
ランチの前には凍ったコニャック Ile de Re を氷の入った素敵なグラスで頂きます。
アンさんはよく出張で日本へ行かれるそうですが、今はみなさん御存じの【成城石井】が大きなクライアントで日本でも随分コニャックが飲まれているとか。
前菜、右上の逆三角形のグラスが凍ったIls de Reが入っています。下には氷を敷き低音を保ちます。
メインはカモ肉にチーズ、そして自家製のタルトタタン(リンゴパイ)がとっても美味しかったです。レシピを教えて貰いたいくらい、タルトの生地が厚いのにふっくら。

昔の【ぶどう搾り機】の足の部分だったねじのような木材を暖炉にリフォーム!おしゃれですね。
それでは【コニャック醸造所見学開始】

コニャックは2回、直火で醸造しないといけない為、1回目の醸造は12月31日までと決まっているそうです。そして寝かして4月に2回目の醸造をするため、忙しい時は1日12時間くらいも働き続けるそうです。その他ぶどうを育てるシーズンは5人の担当者で大丈夫だということです。
敷地は地図で村1~3つ分くらいの15ヘクトヘクタール。何万坪でしょうか・・・
見渡す限りブドウ畑でした。

右からできたばかりの透明の今年のコニャック(アルコール80%)から数年かけて45%まで落とすそうです。
コニャックは全て白ブドウから造り、コニャック地方のぶどうはシャンパーニュ地方やブルゴーニュ地方のブドウに比べてかなり酸っぱいそうです。
しかし、2回醸造して4か所の白ブドウ他150種類の植物、フルーツを掛け合わせて毎年【CAMUS】の高品質のコニャックにブレンドするのが至難の業なんだとか。
コニャック地方では、この樽の生産地としても有名だそうです。
面白いのは、戦後はかなり強いアルコールが飲まれていたけれど、最近はもっとマイルドなまろやかな味が好まれるため消費者の好みに合わせてブレンドされているということです。
場ぶるの時期は日本がシェア(消費)のNO.1だったそうですが、今はアメリカ、中国に続き5位だそうです。確かにコニャックは高価なお酒ですから、日本ではビール、また最近はワインブームでしょうか。ほとんどのフランスワインも日本で手に入りますが、防腐剤が入っているのでやはりフランスの純粋なワインの方が美味しいそうです。
樽で寝かせた後、フルーツのかすなど全て取り除き、このタンクに入れて冷やし安定させます。コニャックが目盛と一緒に見えますね。味見もできるようにハンドルがついています。
ぶどうは大体40-45年の寿命で古い木がだめになってしまうと、すぐに抜いて新しい木を植えるそうですが、翌年は土地を休ませ、2年目はとうもろこしを蒔き、3年目はひまわりを蒔き、4年目にやっと木を植え、5年目のぶどうはまだ若くて使い物にならず、初めて使えるぶどうができるまで植えて4年くらいかかることから、全部で10年はかかるそうです。
そんな気の長い気持ちで、150年続く家族経営で今もブドウ園を守り続けています。コニャックのブランドは20社くらいあるそうですがほどんどの会社は買収され、完全に孤立した経営をしているのはCAMUSさんを含め3社のみだそうです。
また、他のコニャックは50%の売り上げが1年、2年目の安いコニャックで、XOなど4年以上の一番品質の良いものは15%-25%の売り上げだそうですが、CAMUS社はそれが反対で、高級なXOなどが50%の売り上げでレベルの低いコニャックが15%-25%でアメリカでよく消費されているそうです。
カミュさんのご自宅のお庭からもブドウ園が広がっています。
家族経営なのでブドウ園の規模も限られており、量では他社に負けるということから、始めから高級志向で戦略を練りカミュさんのお父様の代に空港のDuty Freeショップに置くようになったそうです。
週末の趣味は?とお聞きしても
【ブドウ園を見て回ること】と根っからのぶどう好きのようです。
素敵なご自宅。右に映っている井戸は150mの深さだそうです!
また、ご自宅にご案内して頂きましたが、音楽を聞くお部屋があるほど音楽好きで、ドライブしている最中もずっとクラシック音楽をお聞きになっていました。
ダイニングルーム
玄関を入ると、【風と共に去りぬ】のスカーレット・オハラが出てきそうな螺旋階段!(あっけにとられて写真取るの忘れました・・・)
夢の様な音楽サロン!
壁には15世紀ー最近までの古楽器などカミュさんご夫婦のコレクションが飾ってあります。実際に演奏できる楽器です。

弦と鍵盤がついたファーデイーガ―デイーの様な楽器
こちらも不思議な楽器
今では亡くなったチェロの巨匠、ロストロ・ポーヴィッチも旧友で遊びに来た時の写真を見せてくれました。
面白いエピソードを話して頂いたのは、ロストロポーヴィッチはどこへ行くにも小さな愛犬2匹と一緒で、【私の犬はピアノを弾く】ということで弾いて貰ったそうです。
トリックは、ロストロが楽譜をめくる指先にはお砂糖を持っていて、それを右、左にするとワンちゃんは喜んで前足2本でピアノを弾いた・・・そうです。おかしいですね。
その後、プライベートのとっておきのコニャックを試飲(Degustation)させて頂きました。何だか映画に出てきそうな古い、小さなダルタニアンの騎士でもいそうなカーブです。

樽からそのままビーカーに紐をつけた昔ながらのやり方でグラスへ注いでくれます。
そして、このコニャックの香り豊かなこと!!
私は普段コニャックはほとんど飲まないのですが、せっかくの機会だからと頂きましたが、何とこのコニャックはカミュさんが生まれた65年前にお父様が作ったコニャックで大事に飲んでいるということです。
一緒に行った父もカミュさんと同じ65歳でそんな貴重なコニャックを快く分けて下さったことに深く感激してました。これは、カミュさんにお会いしてこのカーブに来なければ絶対に飲めないとアンさんが言ってました。香りの高さ、まろやかさは通常のコニャックと比べものにならないそうです。
確かに、何回も鼻で嗅いで楽しんでいるうちに勝手に酔っ払ってましたね。(苦笑)勿論おいしく頂きました。

その後、Camusさんから【Chevalerie du Verre Galant】という称号をみんな頂き、メダルと賞状?まで頂いてしまいました!アンリ4世が関係があり、彼はChevalerie du Vert(緑の意味)だったそうで、それにかけて 【Verre(グラスの意味)】としたそうでウイットにとんでますね。
その後、CAMUS社へ移動。数々のコニャックが並んでいます。
こちらは1962年!
そして何と自分たちでコニャックを選んで好きなようにブレンドして自分のオリジナルコニャックを作ろう!ということで挑戦。
4種類のコニャックを嗅ぐとそれぞれ香り、まろやかさが違います。

香水作りと似ているようですが、②-④は香りが異なるので好きな香りを多めの%で混ぜるレシピを決めます。
①Fins Bois(メインのBodyになるコニャック)50%
②Borderies 10%
③Petite Champagne 20%
④Grande Champagne 20%
私はこんな%にしてラベルとCAMUS社の記録に書きます。このオリジナルブレンドをまた注文したければ、CAMUS社に注文すると自宅まで届けてくれるという嬉しいサービス

ビンに調合して詰め、封をしています
ラベルを付けて
完成!
あまりに勿体なくて、いつ開けようか…という感じですが。
楽しみですね。数年寝かしてもいいですね。
コニャック地方では子供が生まれるとその年の樽を作るそうで、女の子は結婚した時にその樽を開けて良いそうですが、晩婚の方がコニャックは美味しいので晩婚の方がいいと言われるとか?!
パリからTGVで2時間少し、車で4時間の旅、機会があったらお薦めです。

Lausanne/ローザンヌフォルテピアノ展

スイスのローザンヌで2年に1回フォルテピアノのコンサートや学会、また楽器の展示会が行われます。
夏に会った楽器製作家や是非弾いてみたいと思っていたフォルテピアノの製作家も全員来る!ということで、パリからTGVで3時間半ほどでローザンヌへ行ってきました。
レマン湖のほとりの素晴らしい景色の自然が豊かな街です。これはカジノ前の公園からの景色。
スイスらしい景色が広がります。

ローザンヌの街の一番高台にある11世紀から建設されたゴシック様式のカテドラル
登った教会前の展望台からの景色

彫刻の素晴らしい入口




ステンドグラスから差し込み色がとても綺麗でした

L’automne /秋

皆様大変お久しぶりですが、いかがお過ごしですか。
パリはすっかり秋模様で紅葉と同時に落葉が始まり、道には一杯の黄色の葉が落ちています。
さて、夏以来ブログの更新をさぼってしまいましたので、少しずつまたUpして行きたいと思います。
秋と言えば“食”!!でしょうか!?

近所に週3回あるマルシェ(青空市場)では、沢山の新鮮な野菜などが農家から直接運ばれてきます。
早速おいしそうなきのこなどを買って、お醤油で炒めたり・・・
もっとお料理好きな人だったら、あれこれレシピが浮かぶと思うのですが、私は食べるの好きですが、お料理はまだまだでしょうか?!
しかし12年海外に住んでも食べたくなるのは日本の味です。やっぱり日本人だな~~なんてよく感じます。
離れれば離れるほど、ありがたみや良さも分かりますね。
しかし、逆に日本に居た時はいつも外国に憧れ、ヨーロッパに旅行に行っていたので実は国内やアジアを全然知らないので、今度はゆっくり日本国内の発見の旅に行ってみたいなんて思っています。
人間、身近にあるものには当たり前になって良さやありがたさを忘れ、遠くに憧れるのものですね。

ボローニャ 中世美術館

Modenaを後にし、1時間ほどでボローニャへ到着。
翌日私は、ミラノへ。
中世にあった城壁の一部が今も残されています。
市内中心の広場



2つの塔、かなり傾いています!
ビールで乾杯!イタリアにもビールがあるんですね。
夜も更けて藍色の空に。
翌朝、ミラノへ行く前に時間があったので7年前にチェンバロコンクールを受けた場所へお散歩をしに行きました。
懐かしかったですね。この階段を上がった中に素晴らしい大広間があり、そこでコンクールが行われました。
その近くに中世美術館があります。
美術館庭園

司祭のマント
その中の模様にチェンバロの様な弦楽器を叩く(?)天使が刺繍されていました。

素晴らしいモザイクですね。
くし

銅板画:元の盤、細かく全て刻まれています。文字は逆の鏡文字になっています。
上の銅版画を元に印刷された紙
楽譜も銅版画が発明されてから、急速に普及されるようになったので、凄い大きな進歩だった事と思います。
それまでは手で写譜をしてた時代です。



象牙でしょうか?

まるで生きているようですね。

この聖母像は首と手がないのですが、素晴らしいレイヤーの彫刻ですね。
皆さんお勉強していて、勤勉ですね~~。
象牙の彫刻
塩・コショウなどの入れ物
この美術館の近くにあった教会内ですが、実はこれは平面で奥行きはないのですが、遠近法でまるで奥行きがあるように見えますね。
イタリア人の建築法は本当に素晴らしいなあと感心しました。

世界遺産モデナ教会/UNESCO Modena church

2日間DOLCEDOでゆっくりした後、イタリアのボローニャ方面へ向かって東に4,5時間ドライブしました。
その途中で寄ったのがオペラで有名なVerdiの生家やVerdi国際コンクールの行われる町。
Verdi生家前の銅像
Verdiが弾いていたオルガンのある教会
Verdi広場
広場のカフェには名だたるオペラ歌手のサイン入り写真などが飾ってあります。
3大テノールもサイン入り。
陽子さん特性の色とりどりのお弁当を頂き再出発!
おにぎり、お庭のシソで巻いた揚げたヒレカツ(絶品!)、いんげん、卵焼きなどなど・・・それはそれは豪華!いつかお料理の住み込み見習いでもお伺いしようかと言っています。(笑)
その後1時間ほどでMODENAへ到着。UNESCO世界遺産のカテドラル




市内の編み物屋さんの看板代わりにセーターにお店の名前が。

12世紀の町ドルチェ―ド・Dolcedo 12th centry Italian Village

モントンで5日間過ごした後、車で1時間イタリア方面へ行くと国境を越えDolcedoという小さな町に着きます。
去年も夢の様な3日間を過ごさせて頂いた知人の陽子さん宅へ2日間滞在させて頂きました。

お庭の横には何と数百年昔の教会があります。素晴らしい風景ですね。ぶどうはお庭で取れた物。太陽を一杯に浴びた無農薬のぶどうでとても美味しかったです。


お庭のナシ!これも絶品!!
毎日朝ご飯はテラスで。陽子さんと旦那様のクラウスさん。

すると、太陽と雲の間に反射して虹が見えるとクラウスさん&陽子さんが教えてくれました。見ると本当!初めて見た~~!ということでパシャリ。



とても素敵なリビングルーム
陽子さんの愛用ピアノベーゼンドルファーはとても魅力のある音色で、陽子さんの歌に合わせてデイナー後はシューベルトやモーツァルトの歌曲を初見で弾いてとても楽しかったです。
ピアノの位置から外を見ると、Dolcedoの街とその先に地中海が見えるという夢の様な風景!
お庭で取れたハーブ。
陽子さんはお料理がとにかくお上手でいつもレシピをお聞きするのですが、ランチにささっと美味しいボンゴレパスタを作って頂きました。
ここで、作り方を紹介。
3~4人分:あさり 2袋、トマト10個くらい、にんにく、白ワイン少々
下準備:あさりは塩水に入れて砂を出し、良く洗います。
あさりの蓋が開いてくるまで炒めます。トマトとあさりのうま味が混ざって絶品のソースが出来ます。
ポイントはパスタを5分しか茹でないこと。その後フライパンに入れてソースにからませながら仕上げるそうです。
お庭で取れたイタリアパセリを刻んで入れます。
アツアツのうちに召し上がれ!
陽子さん曰く”家の教会”を見ながらの小さなロミオ&ジュリエットに出てきそうな可愛いバルコニーでロゼのワインと一緒に食べました。
あ~~幸せ!
2日目はマリア昇天祭の8月15日でしたが、イタリアではクリスマスよりも大事な家族が集まる日だということです。日本のお盆ではないですが、そういう感じの様です。
ということで、陽子さん&旦那様と山の中のロマネスク時代の古いとっておきの教会へドライブして行く事になりました。





残念ながら教会は閉まっていたのですが、ドアの穴から明るく撮ってみました。

にんにくの花が咲いていました。初めて見ました。
遠くにオリーブ畑の中に村が見えます。
オリーブの収穫に向けて木の下にネットが張られていました。ここの地方は自然に落ちにくいので枝を叩いて落とすそうです。

りんごの木
地中海が見えます。
本当に太陽と自然に包まれた素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。陽子さんありがとうございました。

モントン音楽祭:マスタークラス:Menton Masterclass

日本は大変な猛暑が続いている様ですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
イタリアへ10日間行ってきました。

始めの5日間は、フランスとイタリアの国境に近いモントンMentonという町で今年61回目を迎えている歴史のあるMencon音楽祭へ行ってきました。

名だたる音楽家が昔から呼ばれ、地中海の見える素敵な野外の開場でコンサートが行われます。普段は教会のある広場にステージや椅子を設置して2週間以上に渡って音楽を楽しみます。一歩海沿いへ行けば、エメラルドグリーンの地中海が広がり、それはそれはきれいなこと!
今回は、去年から参加しているチェンバロのクリストフ・ルセのマスタークラスも同時に行われ、参加してきました。
ヴィラの下の庭園には野外コンサートの準備で椅子が並べられています。
日本人3人、フランス人2人、ウクライナ人1人という6人の丁度良い人数で毎日1回x4日間に最終日は参加者のコンサートもあり、大変充実した時間でした。

今回マスタークラスのあった会場は、モントン市内から車で10分ほどの、Jardin Serre de la Madoneという素敵な多種多様の植物のあるお庭の中にあるVilla(ヴィラ)で行われました。

そのヴィラには1つ星のレストランがあり、素敵な藤の花に包まれたバルコニーで毎日ランチを和気あいあいと頂きました。昼間から、白ワイン、赤ワインなどがサーブされ、また弾いていないと酔っぱらって弾けないので、朝に既に弾いた日は喜んで頂きました。

ヌベールクイジ―ヌの洗練されたフレンチを毎日頂くなんて何て贅沢!

そして、レッスンの合い間には何とも言えない美味しい自家製レモネードやアイステイーが出て、レシピを聞いたほどです。


さて、食べ物の話はここら辺にして・・・
レッスン模様です。


ルセ自身のDavid Layのチェンバロをパリからモントンまで運んできました!ドライブ8時間くらいでしょうか・・・
17世紀モデル
素晴らしいチェンバロでみんな思う存分に弾いていましたが、ルセも凄い勢いで弾いていて、いいのか?!という感じでしたが、デビットも笑ってたのでいいのでしょう(苦笑)

最終日には、ルセの仲間との室内楽コンサートもお庭で行われました。今にもにわか雨が降りそうな真っ黒な雲があり、みんな1日中心配していましたが、無事に雨も降らずにコンサートも雰囲気がとても良かったです。
でも、可哀そうだったのは静かなアリアなどの最中にセミが1匹ジージーと鳴き始め・・・聴衆も弾いている演奏家も気が散り・・・
その15分後には、あっちからもこっちからもジージージージーと色々な音程で鳴き始め、そのうちみんな耳が慣れましたが、あの音と湿度の中でチェンバロを野外で弾くのはかなり限界だな~~とみんな思っていたようです。
左からチェンバロ製作家のDavid,Rousset,Gilone(violin)
コンサート前と休憩にはシャンパンなどのブレイクがありとても素敵な雰囲気でした。
余談ですが、モントンに行くと凄い蚊がいる!と友人に言われましたが、生まれて初めて蚊に刺されてすごい水ぶくれのようになってしまいました。

集中的に両くるぶしを5カ所くらい刺され、あまりに痒くてかいてしまい、翌日見ると”ぷく~~”っと大きく腫れている・・・かなりびっくりしましたが、オーガニックショップでラベンダーオイル(火傷などにも効く)など調合されたオイルを塗ったりして、今はどうにかかさぶたになりましたが、2cm大の大きな黒い跡が・・・消えればいいですが、また行く際には蚊取り線香持参しないと大変なことになりますね。
ニュースでもやっていましたが、蚊に刺されて発熱して亡くなる方も出ているというウイルス性の蚊も発生しているようなので、まだ生きているので良かったです(苦笑)

コンサート後には10時半くらいから夜な夜なデイナーが始まりました。本当にヨーロッパのデイナーは遅いですね。終わったら12時半くらいでした。
みんなでルセにThank you Letterを書こうと各々ジョークを交えてメッセージを書き渡しました。

どれどれ、何だって?

自家製パテにニンニクなどお野菜をマリネした物がオシャレなビンに入っています。
デザートはアプリコットのケーキにピスタチオのシャーベット

コブコレクション/Cobbe’s Collection

イギリス楽器博物館めぐり3日目:Cobbe’s Colletion
ロンドンの南西にあるサリー州に大変素晴らしいコブコレクションがあります。Cobbe CollectionのWebsiteはこちらから。
ロンドンのWaterrloo駅から45分でHorsleyという駅に到着し、そこから車で10分ほどです。
行き途中に電車で私の生まれたWimbledon、そして40年前に家族の家があったHinchley Woodという駅を通り、何とも言えない懐かしいというか、思いがけぬ喜びでした。10年ほどイギリスに住んでいた両親が一緒に居たらさぞかし喜ぶだろう・・・と思いました。

さて、Horsleyに付きこれまで敷地はどこまでも続く広い広い庭。というか牛がいました!
そして何とこの牛の赤ちゃんはその日の朝生まれて3,4時間後には起き上がってこの通り、お母さんとお散歩をしていました。
入口
最初に通された部屋。マリーアントワネットの為に特注で造られたErardのスクエアピアノ:Erard 1787、が奥に何気なく置いてあります。とても軽いタッチの楽器でした。Square Piano by Sebastien Erard, Paris, 1787. Reputedly made for Queen Marie-Antoinette.
ウイーンのMozartの友人でありフォルテピアノメーカーであったスタインの弟子の作品と言われている。Mozart,Haydnなどの時代です。
Grand Pianoforte by a pupil of Johann Andreas Stein, South Germany or Vienna,
last quarter of the 18th century.

ウイーン、アントン ワルター1815年/Anton Walter and Son, Vienna, c. 1815.
これは大変貴重なヴァルターの後期のフォルテピアノです。外観はかなり修復されたようですが、タッチも軽やかで何とも言えない品のある音でした。ベートーベンのソナタなど合います。
隣の部屋は素晴らしいチェンバロが2台、クラヴィコード1台、ピアノが2台あります。

アンドレアス・ルッカース1636年/ヘムシュ 1763年・Andreas Ruckers, Antwerp, 1636.Ê Ravalement by Henri Hemsch, Paris, 1763.
この大変有名なチェンバロ、ルッカースはかなりオリジナル楽器としてはかなり弾きやすいタッチでした。勿論修復されていますが、エジンバラにもあったルッカースもそうですが、本当に豊かな響きがします。17世紀、18世紀のフレンチバロックのレパートリーをこのチェンバロで弾くのは至福の喜びですね。作曲された年代と同じ頃に製作されていますからピッタリきます。
1年ほど前にクリストフ・ルセも来てこのチェンバロでコンサートをしたそうです。
ナネット・シュトライヒャー・1823年。王女よりコブコレクションを運営しているナショナル・トラストへ贈呈されたピアノ/Grand Pianoforte by Nannette Streicher, Vienna, 1823.
Loaned by H.M. The Queen to The National Trust, in the care of The Cobbe Collection Trust.

この素晴らしい名器も高音が何とも言えない優しい音色で素晴らしいタッチでした。メンデルスゾーンやシューベルトにはぴったりですね。
グラーフ1819-20年/Conrad Graf, Vienna, c. 1819-20.
このグラーフはFinchchocksのグラーフや他の場所で見たものよりも、何とも愛着が湧くと言うか、1回弾いたら離れられない!というくらい甘い、柔らかい響きで感激しいました。本当に素晴らしい名器で欲しくなってしまいましたが、勿論・・・そんなことは現実から程遠いですが、一瞬の幸せでした。
グラーフ 1836年・作曲家グスタフ・マーラー所有のピアノを死後、孫のマリアナによって寄付された。修復していないのでハンマーや弦も全てそのまま当時のオリジナルの状態で残っている貴重な楽器です。
Conrad Graf, Vienna, c. 1836. Owned by Gustav Mahler and acquired from his granddaughter, Marina.

ブロードウッド 1847年、ショパンがロンドンのコンサートで使用した貴重なピアノ。
John Broadwood and Sons, London, 1847.
Chosen by Fryderyk Chopin for his English recitals.
The property of the Royal Academy of Music, on permanent loan to The Cobbe Collection Trust

軽やかでイギリスのアクション独特ですがショパンも弾いたのかな~~と思うと大変興味深かったです。通常のブロードウッドよりもピアノの周りに家具のように彫りの模様が入っている凝っている装飾です。
プレイエル 1846年・ショパンが所蔵していたと数年前に発見されて話題になりました。
Ignace Pleyel 1846, owned by Chopin.

全体的に修復、調律もきちんとされ、管理されている素晴らしいクオリテイーのコレクションでした。案内して下さったAlisonさんもとても寛大で普通は写真も弾くのも禁止らしいですが、どちらもOkして下さりカタログまで用意して下さいました。
聞けば、私のアムステルダムのチェンバロの先生 Menno ven DelftもCobbeとエジンバラコレクションを訪れて録音もしているので、皆せっせとオリジナル楽器を求めて旅をしているんですね。
行き方など詳細はまたUpしますのでご興味のある方は各サイトからメールでコンタクトをすれば、予約を取れます。
コブコレクションを見て、そのままユーロスターで2時間半後にはパリ到着!という東京ー大阪?の様な感覚でしょうか。遠い様な近い様な。
念願のコレクションをじっくりと3日間見れて本当に想像以上に充実した時間でした。
明日からはバッハのブランデンブルク協奏曲全曲コンサートの為南仏に行きます。それが終われば夏休み!
では、皆様も良い夏をお過ごしください。

フィンチコックス/Finchchocks

イギリス楽器巡りの旅2日目:フィンチコックス
フィンチコックスのWebsiteはこちらからどうぞ。
エジンバラからロンドンへ飛行機で1時間飛び、ホテルで1泊。
翌朝Gatwick空港から電車を2回乗り換え1時間後にKent州(ロンドンの東南)Finchocksの最寄り駅へ。
そこからタクシーで15分くらいするとFinchcocksの入口に。

緑の広がる敷地内にレンガ造りのお屋敷が見えてきました。
この日も休館日でしたが、ドイツから団体ツアーが来ていて楽器の説明をオーナーのRichard Burnettさんが弾きながらジョークを交えてしていました。

1階のサロン。右からErard 1866,Pleyel 1842,Broadwood 1823
Anton Walter und Sohn circa 1800
Rosenberger, Michael circa 1800
チェンバロの部屋。
左からGregori 1697など。奥2つはコピー楽器。
Finchcocksの地下にはカーブを改造してレストランもあり、アフタヌーンテイーも頂きました。
結婚式等もしているようです。個人所蔵宅で全て寄付金のみで運営しているということです。多くの音楽家に知って貰いたいとオーナーなバーネットさん夫妻がおっしゃっていました。

Blog archives

Latest blog entries

Kay Music Academy